【デザインものづくり賞】

~クリエイターと企業、地域をつなぎデザインの力で新しいものづくりをリードする~

林 千晶さん(45歳) はやし・ちあき
ロフトワーク 代表取締役

クリエイター2万5000人のネットワークを構築
デザインの力で地域創生も手掛けるリーダー

 2000年に同社を創業。グラフィックデザイナーから建築家まで、国内外のクリエイター2万5000人のプラットフォームを創設した。以来、クリエイターと企業や地域をつなぎ、年間530件以上のウェブやコミュニケーション、空間などのデザインを手掛ける。2015年には岐阜県飛騨市らと「飛騨の森でクマは踊る(通称ヒダクマ)」を立ち上げ、代表取締役社長にも就任。飛騨の森林資源を世界に発信し、ものづくりにつなげるなど、森林活用の新しい仕組み作りに取り組む。


「ドボジョ」キャリア開拓賞

~夫の転勤・海外赴任でも自身のキャリアをあきらめず、自らキャリアを切り開いた~

大西 陽子さん(44歳) おおにし・ようこ
大林組 海外支店ジャカルタ高架橋工事事務所所長

海外で初めての女性の工事現場所長
大プロジェクトをまとめる“ドボジョ”

 土木技術者のなかで女性はまだ少ない。そんな土木分野で、しかも、インドネシア・ジャカルタの高速道路を建設するという現場で、工事所長を務めている。入社当時は、関西地域限定の専門職だったが、新婚時代に夫が東京へ転勤となり、総合職への転換試験を受け、なんとか合格し、東京へ異動。国内だけでなく、台湾などのプロジェクトに携わる。その後、夫のジャカルタ赴任が決まったとき、第1子を妊娠中で、出産後、生後4カ月の子供とともに夫の元へ。育休後、子供と2人で帰国し、職場に復帰する。ジャカルタ異動希望を出す。2012年10月からジャカルタに赴任。15年11月から工事現場の全体を見る所長を務める。


食ビジネス革新賞

~食材ロスをなくしながら、高回転率を実現する食堂を経営~

小林 せかいさん(32歳) こばやし・せかい
「未来食堂」代表

「あつらえ」「まかない」「ただめし」…
これまでにない仕組みを考え、飲食業に新風を吹き込んだ

 2015年にオープンした東京・神保町の「未来食堂」。メニューは日替わりで1種類だけだが、18時以降は店にある食材を選んでオーダーメードできる“あつらえ”や、50分間未来食堂で働けば1食900円の定食が無料となる“まかない”といった、ユニークな仕組みを持つ。11時~14時の昼のピークタイムで最高7回転するなど順調に顧客が増えている一方で、売上原価率は25%前後と低い数字を実現。無駄を省くことで、原価率を下げ、余った食材は翌日の小鉢の材料や“あつらえ”を提供することで食材ロスもほとんどゼロにしている。売り上げや事業計画書を公開することで、自分の知識をシェアしながら、よりよいビジネスを模索している。