ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018受賞者

大賞 末延則子さん(51歳) すえのぶ・のりこ

ポーラ化成工業 研究企画担当 執行役員

15年間、“どん底”に負けず日本初となる
シワを改善する薬用化粧品を開発
2017年最大のヒットコスメを生み出したチームリーダー

 1966年生まれ。91年に研究職としてポーラ化成工業に入社。2002年に皮膚薬剤研究所配属となり、「シワに効く」と効果を伝えることができる医薬部外品を目指して、研究開発をスタートする。

 約5400種類もの中から、シワ改善効果に繋がる有効成分を発見。しかし、医薬部外品申請に必要な、成分の安定性を確保し、製品化が可能な状態になるまで7年かかった。

 医薬部外品として販売するため、09年に厚生労働省に承認申請。可能性が見えてきた矢先の13年、他社の医薬部外品の美白化粧品で、肌がまだらに白くなる症状が出る「白斑問題」が起こり、医薬部外品の審査が厳格化する。しかし末延さんは諦めず、「審査で重要になるのは安全性」と、次の行動を判断。改めて、大規模で長期に渡る安全性の実証試験を行なった。その努力が実り、16年7月に、日本初となる「シワ改善」の医薬部外品が承認された。

 ポーラの「リンクルショット メディカル セラム」(20g 1万5000円・税別)は、2017年1月1日に発売開始。9カ月で売上累計80万個、売上総額約112億円を達成した。