落ちこんでいるときに元気がもらえたり、新しい視点が得られたり……ときには、人生が変わるほどの大きな力を持つ「本」。広告代理店のクリエイティブプロデューサーとして数多くの「人の心を動かす言葉」を生み出してきたひきたよしあきさんによる『あなたを変える「魔法の本棚」』連載では、読むたびに自分の個性や知性が磨かれ、人生が前向きに変わっていくことを実感できる“特別な1冊”を厳選して紹介していきます。

◆今回のことば

「しぐさは、外見のひとつ。」

――「「しぐさ」の魅力」より

「「しぐさ」の魅力」(伊勢田幸永 かんき出版)
「「しぐさ」の魅力」(伊勢田幸永 かんき出版)

 たくさん出版されている「しぐさ」に関する本の中から伊勢田幸永さんの一冊を選んだのは、この言葉を見つけたからでした。

 「しぐさ」と聞くと、つい人の心理をうかがう手だてとかプレゼンのテクニックのように感じてしまいます。正直に言うと、結構、眉唾ものが多いのです。

 それだけにこの言葉に親近感を覚えました。

 伊勢田さんは、地方でガテン系の会社を相手に営業したり、法律事務所で働きながら様々な人の悩みごとを聞いているうちに、「しぐさ」がコミュニケーションに潤いを与えることを発見するのです。ガテン系から法律弱者まで。声高な交渉から、つぶやくような相談ごとまでのを体験しながらつかみとってきた「しぐさ」は、ちょっと真似するだけでも十分効果的なものです。

 あまりによくできているもので拙著「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)でも紹介させて頂きました。