「何のために働いているのかわからない」。そんな悩みを抱えているこじらせOLが、ふとしたきっかけから自分の「夢」に気づき、自分の生き方を大きく変えた――。そんなストーリーの小説『言い訳ばかりの私を変えた夢みたいな夢の話』を、本連載「才能がない人の夢のかなえ方」としてお送りしていきます。前回、朝4時までかかって仕上げた記事が大ヒットしたヤグチ。心の変化があらわれたようですが……。
著者からのメッセージ:本連載の前書き「副業が会社バレ ピンチ、異動、そして夢が近づいた話」
第一回:お給料のためだけに働くOL、夢について考える
第二回:夢ナシ契約社員 異動先で「あなたの夢は?」と聞かれて
第三回:好きを仕事に…人に言えない趣味も仕事にできるのか?
第四回:恥ずかしい趣味を仕事に生かしてみた 上司の反応は?
第五回:地球上に○○する…壮大な上司の夢 部下の私はどうする
第六回:契約社員なのに、朝4時まで徹夜した仕事…その結果は
【第七回】憧れの声優に会いたい
新しい部署にきて、1カ月半が経った。
私の仕事量はどんどん増えていった。驚くべきことに、自分から進んで増やしたのだ。
自分の記事を週に最低1本は書く。
外部の人に寄稿してもらう記事が週に2~3本。
それから、タイアップ企画の提案。
ツイッターやフェイスブックで、サイト全体の評判をチェックする。
そしてなんと、サイトをより多くの人に見てもらうための「デザイン変更案」まで考えて出した。一般的には「サイトディレクション」と言われる高度な作業だ。
こうした仕事をこなしながら、雑誌を読んだり、ミュージカルを観に行ったりしなければならない。死ぬ!
2.5次元ミュージカルのDVDは大量に発売される。自分が行けなかった公演はせめてDVDで観たい。夜や休日に必死で見た。好きな声優がテレビに出演するのも全て録画して見た。とにかく自分の時間の大部分をミュージカルに費やしていた。
終電で帰ったり、休日に仕事をしたりすることも増えてきた。いつの間にか、楽しみにしていた“飲み”の回数も減ってきている。飲み友だちとはそんなに頻繁には会えなくなった。
でも、なぜか嫌じゃなかった。
上司は仕事についてうるさく言う人ではない。そのおかげか、会社のことが少し嫌いじゃなくなった気がする。そう言えば、ほかの同僚とも最近は話す機会が増えてきた。
けれども、私は今、猛烈にストレスを感じている。
以前とはまったく違う理由で。