努力をすれば夢はかなうのか

連載のなかで、主人公・ヤグチはスランプに陥ったことも
連載のなかで、主人公・ヤグチはスランプに陥ったことも

吉永:僕は、努力すれば、強く願えば夢がかなうとは言わない。世の中それほど甘くないと思います。強く願って物事がかなうんなら、世の中の人全員の夢がかなうはずです。だから、まず、自分自身について考えるしかないんです。
 僕は、人を使う仕事じゃないところから、人を使う仕事に徐々にシフトしてきました。現在20数人の部下を見ています。マネジメントは難しいと思ったけれど、意外にできた。もともと、あまり相手を否定しない性格であることもプラスに働いているのかもしれません。部下は100%じゃなくて、65%ぐらい言うことを聞いてくれればいいと思っています。35%だったら困るけど、65%だったら万々歳、すばらしい、と言うぐらいの意識でマネジメントをしている。だって、人が100%自分の思うようになるわけがないでしょう?
 僕は、以前一匹狼のブロガーだったので、仕事は全部一人でやってベストのものを出さなきゃいけないという意識があったんですが、一人でやれることには限界がある。5人いれば5倍の力となるわけで、周りを認める力が上がってきているかもしれません。

――対談の最後に、読者へのメッセージをお願いします。

柚月:吉永さんが上司になってからのことをまとめた『言い訳ばかりの私を変えた夢みたいな夢の話』を改めて読んで、ああ、過去の話になったんだな。頑張ったな自分ってちょっと思いました。サイトが立ち上がったのが2013年で、無我夢中で走ってきました。洋服選びの時間も余裕がないから、服は真っ黒なものばかりになっちゃって。クローゼットには長袖とか半袖とか、黒いものばかりいっぱいある(笑)。人生の優先順位が、仕事、になりました。
 読者の方々も例えば1年と決めて、あることに集中してみるというやり方はあるんじゃないかと思います。今の職場を軸足に1年だけ頑張ってやってみる。もしかしたら人生が変わるかもしれない。

吉永:1年頑張って、その先の人生が見えるかもしれないですよね。

柚月:私は、会社員はそうあるべきというように、吉永さんが型にはめようとしなかったので制作に集中しやすかったんです。会社の中には、ちゃんとしていて「はみ出さないように」という人もいっぱいいるんですけれど。

吉永:どっちがいいということはないんです。どう生きることが自分に合っているか。それに尽きますね。

<次回は、読者のお悩みに答えてもらいます!お楽しみに>
第1回 本人降臨! 実話だった「才能がない人の夢のかなえ方」
第2回 働き方で迷う人へ 今のままでいい可能性も探ってみない?
第3回 10kgの重いベストを装着 個性的すぎる上司の指導法(この記事)
第4回 「才能がない人の夢のかなえ方」著者にリアル悩み相談

Profile
吉永龍樹
吉永龍樹(よしなが・たつき)
1979年生まれ。 静岡県出身。 学生時代に作成した個人サイト「僕の見た秩序。」が4年で1億アクセスを突破。現在は東京都を拠点に、サラリーマンクリエイター、インターネット専門家としてウェブサイト、ソーシャルメディアを中心に活動中。著書に『ゆかいな誤変換。』『ハイブリッドワーカー』『言い訳ばかりの私を変えた夢みたいな夢の話』など。Webクリエーションアウォード Web人賞受賞。LINEスタンプ「ゆかいなエヅプトくん」は女子高生を始め、世代を越えて大ヒット中。最新作は「激しく動く★肉くん3」スタンプ。
Twitter: https://twitter.com/dfnt
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柚月裕実
柚月裕実(ゆづき・ひろみ)
Web編集者、ライター。IT関連会社のサービス企画部門のアシスタントとしてIT関連会社に入社後、時事ネタやヘルスケアの記事を書く仕事を経て、自分が大好きなアイドルについてのコラムを書く仕事を2013年より始める。15年からイラストレーター崎田ミナさんのヨガの連載を、16年からは主婦イラストレーターTamyさんの食べ物連載を手掛け、相次いで連載の書籍化が決定。崎田さんの『自律神経どこでもリセット! ずぼらヨガ』(飛鳥新社)は、17年1月の発売と共に大きな話題に。Tamyさん『たべてしあわせ おいしいノート(仮)』(メディアソフト)は4月発売予定。今年1月よりウェブサイトの運営や編集をする他社に転職。自分の夢をかなえる人生をさらに大きく開いていくべく歩みを進めている。

文/大塚千春 写真/鈴木愛子 イラスト/吉永龍樹


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言い訳ばかりの私を変えた夢みたいな夢の話

何のために働いているのか、わからない。いっそ会社をやめようかな…。そんな悩みを抱えたやる気のない契約社員に「社内で一番の変人」の上司が火を付けた!ごく普通のOLの、心をゆさぶる物語。
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◇ 変更履歴:4ページ目の公開内容を一部変更しました。(2017年2月22日)