せっかくなら、積み重ねていける仕事にしたい

吉永:仕事をしたからには、その仕事が自分の人生の土台をつくってくれるようなものであったほうがいいですよね。2年前私の書いた記事が、こんな結果を出したんですよ、と言える。それを積み重ねていける人生のほうが得です。

柚月:派遣や契約社員だと、そこまで求められないということもあります。会社の人も、派遣社員にはあまり仕事を任せなかったりする。何かを変えたいならばそこは話し合うしかない気がしています。やる気がある人なら、話し合うことで一歩進めると思います。私はたまたま吉永さんに巡り合えたので。

吉永:自分の意思を表明することは大事です。どんなに突拍子がないことであったとしても、表明することで何か変わるかもしれない。逆に、言わなかったら変わらない。テレパスじゃないですから、相手にも伝わりません。

柚月:ある人に「分かってくれるだろうなんて甘えだよ」と言われました。もし、はっきりした夢がなくても、「ちょっとこんなことをやってみたいんです」と言うだけでも違うと思います。正式に面談を申し込んで、とかじゃなくて、ポロリ、でもいいと思います。

吉永:エレベーターの中で30秒言うだけでいい。いわゆる「エレベーターピッチ」です。もし言ってみて、それがかなわないなら、転職をするという選択肢だってあると思います。裁量を与える側からすると、部下に自由度を与えるのも勇気がいることなんです。失敗したら自分が一緒に責任をかぶることになりますから。できない上司だって当然いるでしょう。
 40年前は終身雇用が当たり前で転職に対する風当たりは強かったけど、今は世の中思ったより自由で、どうにでもなります。今と昔は社会環境が大きく違うので、親を手本にするのは間違っていて、手本もない中でいきなり人生の「本番」をやらなきゃいけない大変さはある。でも、だからこそ、転職をしてもマイナスにはならないというような、昔とは違うプラスの部分は最大限に利用しないと。

――柚月さんは、どうして転職されたんですか?