不覚にも、泣いてしまった
ちょっと待て、それって私のためのような本じゃないか……?
いつの間にか、メールが2通、ほぼ同時に届いていた。
ヤグチさん、夜おそくにすみません。ハシモトです。うれしくて、メールしちゃいました。
オダマモのマネージャーさんに、新しい本の企画を提案していたんですけど、OKが今、出ました!
降板したり事務所を辞めたりっていうこともあったけれども、新しい舞台にチャレンジする彼の想いを写真と文章で綴っていくものです。
その本の文章のほうを、ヤグチさんにお願いしたいんです。インタビューして書いてくれませんか? マネージャーさんも、ヤグチさんならって言ってくれています。
な、な、なんだって!
出版社の編集者であり、オタク仲間であるハシモトさんからだ。
腰が抜けそうなほど驚きながら次のメールを見たら、さらに驚いた。
ヤグチさん、小田と申します。本の企画、ぜひよろしくお願いします。
ハシモトさんと相談して、ぜったいヤグチさんがいいっていう話になりました。
オダマモ本人も期待しています!
オダマモの弟であるマネージャーさんからだった……。
本当に、本当にこんなことってあるんだ。
ふと窓の外を見ると、いつかのような満月だった。不覚にも、泣いてしまった。
それを上司が、目を丸くして見ている。
その顔が、ちょっと、面白かった。
*続きはこちら→【最終回】あくびばかりの後輩 ワケは自分の動画配信
文・イラスト/吉永龍樹
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