外見はオタクっぽくないけれど
待ち合わせた居酒屋でそう語る編集者のハシモトさんは、とてもオタクには見えない、ロングヘアの美人だった。
後から聞いたところ、きれいな身なりは重度のオタクを隠すための仮の姿らしいのだが。
「その気持、めちゃめちゃわかりますよ」私はビールをジョッキであけながら、なんだかうれしくなってしまった。睡眠不足のせいか、酔いが早い。
「オダマモの新マネージャーに聞いたんです。ヤグチさんの企画書は本当に熱くて、インタビューでも真摯に話を聞いてくれたって」
「いやあ、それほどでも……」
「自分はそんなに心を込めて企画書を書いたことがあったかなって、反省しました……」
「待って。ということは、オダマモの弟さんと連絡を取り合ってるってこと?」
「はい。たまにですけど」
「うらやましい!」
仕事は山積みで、サイトもまだ収益をあげているとはいえなかったけど、その日はおいしいお酒が飲めて楽しかった。
*続きはこちら→第十八回時短のため、スーツ以外の服を全部捨ててみた その結果
文・イラスト/吉永龍樹
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