私が住んでいるシンガポールでは、フードコートやフォーカー(屋根付きの屋台のようなもの)でテイクアウトをするほうが自炊費よりも安くなる場合も多いです。すでに洗ってあってそのまま食べられるベビーリーフやレンジで温めるだけで食べられる冷凍スープなどもスーパーにたくさん並んでいます。働く女性が多い国ということもあり、皆さんあまり手の込んだ自炊はしないようです。この国に住んでみて、「自炊をしなきゃ」という強迫観念から逃れられるようになり少し気持ちが楽になりました。その分読書など有意義なことに時間をかけることができるようになりました。

 また、前出の本によると、「100円ショップはキケン」なのだと言います。「お金と上手に向き合うためには、本当に欲しいものは手に入れて、そうでないものにはできるだけお金を使わないことが大切」とのこと。

 たしかに、100円ショップは安い反面、当たり外れも多いように感じます。海外で生活を始めた時に現地にある日本の100円ショップで大量にお買い物をしました。初めて100円ショップで5000円くらい使ったと思います(海外のほうが値段は高いことはありますが)。なかにはよい商品もありましたが、多くはあまり使うことなく無駄になってしまいました。安さにつられると、あまり考えずにたくさん買い込んでしまうので失敗も増えやすいのです。

 いかがでしょうか。月末までお金がピンチな時は自炊をする、100円ショップでしか買い物をしないといったことも有効だと思います。しかし、その方法を長く続けるのは難しいものです。リバウンドが来る場合もあるでしょう。長期的に倹約をするには、無理のある節約法はあえてしない、自分にとって合わない節約法はしないという勇気も時には必要になりますよ。

文/花輪陽子 イラスト/本郷史織

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