じっくり情報収集をしたうえで、慎重に選んで

 選び方としては比較サイトを利用したり専門家の意見を聞いたりするのがよいでしょう。

 例えば、「価格.com」の「電気料金プランシミュレーション」を利用すると、郵便番号、家族の人数、月の電気の使用量などの情報を入力することでおすすめのプランが出てきます。

 プランを変えることにより節約できる金額が出てきますが、電力会社を切り替えると解約や契約手続きなどで手間を取られるためにその価値がある金額なのかをじっくり検討しましょう。

 さて、ヨーロッパでは日本よりも先に電力の自由化が始まっていますが、国にもよりますが一般家庭用の電気料金はそれほど安くなっていないようです。理由は燃料価格高騰や再生可能エネルギー買取費用の負担といったことなどもあります。また、国によっては自由化が進んでも電力会社を変えない人の割合が高いようです。

 私が現在住んでいるシンガポールにも電力会社はいくつかありますが、今のところは大口顧客しか自由に選ぶことはできない状態です。ただ、2018年以降は一般家庭も電力会社を選べるようになるよう働きかけが行われています。

 今のところはシンガポールの水道・電気・ガスの申し込みや停止等の各種手続き、集金、工事などを担当する「SP Services(SPS)」という企業と契約する形になっています。ただし、水道・電気・ガス・ゴミ処理などの利用料も一つの請求書でまとまってくるために支払いはとても楽です。選択肢はありませんが、インフラ会社を選ぶ手間もなく、契約中のやりとりもまとめてできるというメリットは大きいかなと感じています。

 今後、電力が自由化されると一気に選択肢が増え過ぎてしばらくはよく理解ができない状態が続くかもしれません。

 お金の世界では「わからないものには手を出すな」という定説があります。自由化開始直後はテレビや雑誌などで情報収集をして、魅力的なプランが見つかってから動けばよいと思います。

文/花輪陽子、イラスト/本郷史織

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