女性関係には寛容なお国柄

 初代フランス大統領となったナポレオン3世は、あの英雄ナポレオンに愛されたジョゼフィーヌがおばあちゃん。ナポレオンがイタリア遠征中に熱烈な手紙を書いたことでも有名な女性です。ジョゼフィーヌ自身も恋多き女性でした。その血を受け継いだナポレオン3世は、女性と見れば手を出す色好みで有名だったそうです。

 英雄色を好む……そんな幕開けだったフランス大統領の女性関係史から、近年の政治家たちにも自由奔放な風潮が見て取れます。

 フランソワ・ミッテラン氏から見て行きましょう。

フランソワ・ミッテラン

【大統領歴】
第21代大統領 任期1981年5月~1995年5月

【特徴】
死刑制度を廃止し、生活保護など社会政策に尽力。EU創設を定めたマーストリヒト条約に調印。インフレと失業率の増大に対して、「大きな政府」を掲げ公共投資の増加、雇用の拡大などを目指した。

【家族・女性】
ダニエル夫人との間に息子3人。
30年来の愛人アンヌとの間に隠し子の娘1人。アンヌに送った手紙が書籍化された。
女性問題について記者に聞かれたときの返答「それが何か?(Et alors?)」という名言が残されている。

ジャック・シラク

【大統領歴】
第22代大統領 任期1995年5月~2007年5月

【特徴】
長くパリ市長を務めたのち、ミッテラン大統領の下で第一次コアビタシオン(保革共存)の首相。南太平洋のムルロア環礁で数度の核実験を強行し、アフガン侵攻にも賛同。
公式とプライベートを合わせて50回以上の来日歴がある親日派としても知られる。

【家族・女性】
ベルナデット・ショルドン・ド・クルセルとの間に娘が2人。元ベトナム難民の養女が1人。
複数の愛人の中には日本人もいたとされる。