美人すぎるファーストレディ、夫人以外に「彼女」も可能!

 フランスのフランソワ・オランド大統領の場合は、事実婚の相手がファーストレディを務め、「ファーストガールフレンド」などと呼ばれていました。でも、首相の浮気発覚とともに相手とも別れ、同時にその役目も終わりました。こうして、各国で少しずつ規定が違うのも面白いところです。

「ファーストレディ=美人」とひとくくりに語られることもしばしば (C) PIXTA
「ファーストレディ=美人」とひとくくりに語られることもしばしば (C) PIXTA

 美人として名高いのは、ニコラ・サルコジ元フランス大統領・首相(※2)のカーラ・ブルーニ夫人。雑誌「ヴァニティ・フェア」の表紙を飾り「第二のジャッキー」(※3)との見出しがつくほどに、元モデルの容姿は華やかで洗練されていました。

 今世界中の注目するシリアのアサド大統領のアスマー・アル=アサド夫人はイギリス出身。米「VOGUE」誌が「砂漠の薔薇」と名付けたその美しさもさることながら、内戦下のシリアでのぜいたくぶりなども注目されています。

 そして、米国ファーストレディのメラニア・トランプ夫人は元モデルであり、その容姿の淡麗さは誰もが知るところ。でも意外にも、その前職だったミシェル・オバマ夫人のファッションセンスが、アメリカ人女性の注目を集めていました。雑誌「ヴァニティ・フェア」で世界のベストドレッサー10人の1人に選ばれ、「ピープル」誌にて「伝統的で自信に満ちた容姿」として、ベストドレッサーに挙げられています。洗練されていながら気取らないスタイルから、ミシェルもジャッキーと比較されることがありました。

 この「第二のジャッキー」という表現は、ファーストレディに送る「賛辞」の一つ。大統領夫人として、女性のファッションアイコンとして、そして自由に生きた女性として、今でもファーストレディとして一番の人気を誇るのはジャクリーン・ケネディ・オナシスのようです。ファーストレディの仕事もさまざまながら、ジャッキーの最後の仕事は、暗殺された夫が後世まで名を残すような葬儀の喪主を務め、ホワイトハウスを後にすることでした。

※2:フランスには大統領と首相が同時に存在する。大統領は、国民の直接選挙で選ばれる国家元首。首相や閣僚の任命権、国民議会(下院)の解散権、非常時に緊急措置の発動権など広範な権力を持つ。首相は議会の与党党首が任命される行政のトップ。フランスで表に登場してくるのは大統領のときが多い

※3:ジャクリーン・ケネディ・オナシス(通称ジャッキー)は、第35第ジョン・F・ケネディ大統領夫人。1961年から1963年までアメリカのファーストレディ。上映中映画のタイトル「ジャッキー」は、ジャクリーンの愛称。のちにギリシャの大富豪アリストテレス・オナシスと再婚。死別後にニューヨークで編集者となる。洗練された上品さとセンスから、女性たちのファンションアイコンとしても人気を博す。世界のファーストレディと言われて最初に思い浮かべる人も多い存在

文/上野陽子 イラスト/PIXTA