さまざまなバリエーションのポン酢を食べ比べた結果――鍋料理に合うベスト3を選び抜いた。

◆No.3
「ゆずぽん酢」(マルカン酢 オープン価格)

 接ぎ木をせず、種から丁寧に育てるため収穫まで時間はかかるものの、強い香りを発するという高知産の実生ゆずを使用。収穫まで長くかかることでの希少性については、地域で「桃栗三年柿八年ゆずの大馬鹿18年」という口伝される表現からも分かるだろう。この力強い香りや味を生かすために香料やうま味調味料は使っていないという。

 「器に出すとゆずの果肉が出てきて絞りたてのような香りも立つ」(北本さん)、「ゆずの味がしっかりしていて、鍋に求めている落ち着く気持ちにしてくれる。パッケージも高級感がある」(岩本さん)と味・パッケージともに好評価だった。


◆N0.2
「旭ポンズ」(旭食品 500ml オープン価格)

 大阪のこだわりのポン酢が2位にランクイン。王冠キャップで栓をする創業当時からのスタイルで、口コミでその販路は全国へと広がっている。徳島県産のすだち・ゆこう・ゆずの3種類の柑橘果汁を使い、家庭ではもちろん、高級料亭などでも使われている。

 評価者のなかにも食べたことがある人が多く、「我が家の定番です。そのまま飲みたいほどに醤油・柑橘類のバランスが良い。肉にも合います」(伊能さん)、「ラベルが歴史を感じさせる、様々な料理名が書かれているので、鍋以外の用途が分かりやすいデザイン」(中川さん)とコメント。


◆NO.1
「のーがえい」(馬路村農業協同組合 500円)

 ポン酢というと酸味がある醤油調味料という印象があるが、これは全成分のうち最も多いのはだし。ゆずの酸味は控えめに、宗田鰹と鰹、昆布、にんにくでとっただしをたっぷり使い、酸味が苦手な人にも使いやすい風味に仕上げている。ラベルには春夏秋冬ごとにあわせて欲しい料理名を書き、通年商品であることをアピール。

 この商品に満点を付けたのが、中川さん。「うまい!! 鍋に限らず、1年中どんな料理も合うことがラベルからも伝わる万能ポン酢ですね」とコメント。ほかの3名も「だしをかけているようだけどしっかりとゆずも感じる」(北本さん)、「パッケージが日本昔話のようなイメージでポン酢調味料の印象が強くないのが逆にいい」(伊能さん)、「だしがしっかりしていて、かつおのタタキでも食べたい」(岩本さん)と、くせのない汎用性の高い味わいが全員から高い評点を引き出した。

 自治体発でゆずポン酢のブランド化に成功しているのが、1位の「のーがえい」を生産した高知県の馬路村。町村合併で消えゆく村が多いなか、特産品であるゆずを使った加工食品の生産を行い、全国に知られる存在になっている。上位3位には惜しくもランクインしなかったが、同じ馬路村農業協同組合の「1000人の村」(690円)、「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」(610円)、「朝日出山ぽん酢しょうゆ」(670円)も評価が高かった。「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」は全国に知られるきっかけになった商品で、その後の複数商品展開へつながるロングセラー商品となっている。

 昨今のご当地食材が注目される傾向がポン酢にも反映されており、各地には個性あふれるポン酢が登場している。価格も1本500円前後で手軽に買えるものなので、旅先で自分へのお土産に探してみるのも面白そうだ。

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