ビタミンたっぷり! パプリカで作る「マッサ」

 もう一つ、今年話題になったものといえば、パプリカで作る「マッサ」という調味料だ。パプリカはビタミンが豊富で美容にも健康にもいいので、働き女子も摂取したい野菜の一つ。「マッサ」はポルトガル料理でとてもメジャーな万能調味料なので、輸入食材店等で市販品も入手できるが、手作りでもとても簡単! そしておいしい! なじみのある日本の調味料とはひと味違う、エキゾチックな香りが魅力だ。

編集部で手作りしたマッサ。赤パプリカの旨味がギュッと凝縮されている。
編集部で手作りしたマッサ。赤パプリカの旨味がギュッと凝縮されている。

 手作りマッサの作り方はこちら。やや時間がかかるものの、とても簡単。レパートリーに入れると便利。

◆マッサの作り方
(1)赤パプリカはよく洗い、ヘタと種を取り除いて、縦に4~6等分する。
(2)密閉容器に(1)と粗塩大さじ4を入れ、よくなじませて、冷蔵庫で3日~1週間程度寝かせる(たくさん水分が出てくる)。
(3)(2)の容器からパプリカを取り出し、余計な水分を拭き取ってから、天日で半日ほど干す。
(4)フードプロセッサー等でペースト状に仕上げたら完成!

 しっかり塩味が効いているがとてもまろやかで、パプリカの香りと旨味が濃くなっている。いろいろな料理の味付けのときに、塩の代わりに使うだけでおいしく仕上がるのだ。炒め物の隠し味に使ったり、肉や魚を漬け込んでソテーしたりするのもおすすめ。

マッサを使った具だくさんスープ

 マッサは、魚介と合わせるととても香りが引き立つ。こんなあたたかいスープを冬の夕食にしてみては。

◆材料(2人分)
アサリ------200g
エビ------8尾程度
水------300ml
野菜(玉ねぎ、ニンジン、セロリ、キノコなど)------適量
ニンニク------1片
オリーブオイル(炒め用)
マッサ------大さじ2

◆作り方
(1)エビは下処理をし、マッサをまぶしておく。
(2)鍋にオリーブオイルとニンニクを入れ、軽く炒める。
(3)玉ねぎ、アサリ、エビを入れて炒め、アサリがある程度開いたら、水と野菜を入れて煮込む。
(4)野菜に火が通ったら、最後にマッサで味を調え、できあがり。

 魚介とマッサの味はとても相性がよく、簡単なのにとても奥深い味のスープができる。味つけはマッサのみだ。パスタを入れてスープパスタにするとボリュームアップする。辛い味がお好みならチリペッパーで少しピリリとさせるのもいい。

朝食にフル活用できる甘マッサ

 さて、実はマッサにも砂糖バージョンがある。先ほど紹介したのが「塩マッサ」で、砂糖で味付けすると「甘マッサ」。甘くて爽やかな、いわばパプリカのジャムのような感覚だ。

◆甘マッサの作り方
(1)赤パプリカ2個を洗って、種とワタを抜き、ざく切りにして鍋へ入れる。
(2)グラニュー糖とレモン汁をまぶして1時間ほど放置して水分を出す。
(3)煮込んでフードプロセッサーでペースト状にしたら出来上がり。

 「塩マッサ」に比べてパプリカの水分をそのまま使うので、とても瑞々しいペースト。クラッカーやトーストに塗ったり、ヨーグルトに添えたり、ジャムのように使うと、忙しい朝などにも栄養分も摂れるのがうれしい。甘マッサでドレッシングを作るのもいい。

甘マッサのクリーミードレッシング

◆材料
甘マッサ------大さじ2
オリーブオイル------大さじ2
プレーンヨーグルト------大さじ2
ブラックオリーブ------100g
おろしニンニク------少々
塩------小さじ1

◆作り方
(1)ブラックオリーブを包丁でみじん切りにする。
(2)材料をすべて小さな容器で混ぜ合わせたら、できあがり。

 甘マッサのまろやかな甘味と、ヨーグルトの酸味が絶妙。具だくさんなドレッシングなので、シンプルなサラダにたっぷりとかけていただくのがおいしい。

 2015年もあとわずか。話題になった「豆腐クリーム」と「マッサ」、アイデア次第で用途も幅広いので、ぜひお試しを! さて来年は、どんな新しい味と出会えるのか、楽しみだ。