世界の三大珍味のひとつとされる高級食材「トリュフ」。キノコの一種で、芳醇な香りが特徴だ。おもな種類は、黒いダイヤモンドとも呼ばれる黒トリュフやさらに高価な白トリュフなど。人工栽培が難しいため、その希少性で普段はなかなか口にすることはできないが、そのトリュフをまるごと1個自分で削り、思う存分堪能できる店があった! 体験した人だけが知る、トリュフの味と香り、そして高揚感をレポートする。(価格は特記がない限り税抜き)

約1000円でトリュフをお買い上げ! 注文した料理にトリュフをプラス

トリュフ削り放題! 贅沢に半分削ってみたら、料理の高級感がグッとアップ。
トリュフ削り放題! 贅沢に半分削ってみたら、料理の高級感がグッとアップ。

 こんなトリュフが盛り盛りの一皿をリーズナブルにいただけるのは、「フレンチーナ 新宿店」。新鮮な魚介類を使った料理とワインが主な売りだが、旬の食材やトレンドを敏感に取り込んだメニューが多彩にある。

 「至福のまるごとフェア」と銘打った、11月30日までのフェア期間中には、1日5個限定で、黒トリュフまるごと1個を1000円前後で提供している。

好きなサイズを選び、1gあたり35円で1個まるごと買い取るシステム。もっと気軽にトリュフを楽しんでもらおうと、仕入れの調整や交渉に努力した結果、この価格が実現したそうだ。
好きなサイズを選び、1gあたり35円で1個まるごと買い取るシステム。もっと気軽にトリュフを楽しんでもらおうと、仕入れの調整や交渉に努力した結果、この価格が実現したそうだ。

 早速トリュフをオーダーすると、木製の箱に丁寧に並べられた黒トリュフがテーブルに運ばれてきた。この時点ですでにテンションが上昇!

 トリュフは買い取りなので、使い方は基本的に自由。1個すべてを一皿のために使うのもアリだが、複数の料理に分けてかけてもいいし、仲間とシェアするのも味覚を共有できて楽しいだろう。

トリュフ削り体験! テーブルはトリュフの香りに包まれる!

 今回の取材では、メニューにあったトリュフに合うおすすめ料理5種の中から、「マッシュポテトをつめたポップオーバーのクロックマダム」をオーダーした。

「マッシュポテトをつめたポップオーバーのクロックマダム」(700円)。オーブンで焼き上げたカリカリチーズや揚げた生ハムなどが主役のクロックマダムに寄り添い、立体感ある美しい盛り付けになっている。
「マッシュポテトをつめたポップオーバーのクロックマダム」(700円)。オーブンで焼き上げたカリカリチーズや揚げた生ハムなどが主役のクロックマダムに寄り添い、立体感ある美しい盛り付けになっている。

 このままでも十分美味しそうだが、お楽しみはこれから! いよいよ、スライサーを握って、トリュフを削る瞬間がやってきた。トリュフを自分で削るのは初めての経験ゆえ、大きなワクワク感とともに緊張感もちょっぴり。うまく削れるだろうか?

 店のスタッフに削り方のアドバイスをもらい、いざ挑戦! スライサーの歯にほぼ平行にトリュフを当て、力を入れずに、スッ、スッと押し滑らせる。

指に香りが移らないよう、念のためトリュフを紙ナフキンにはさんでスライスした。自分でうまくスライスできない時は、店のスタッフがサポートしてくれるから安心。
指に香りが移らないよう、念のためトリュフを紙ナフキンにはさんでスライスした。自分でうまくスライスできない時は、店のスタッフがサポートしてくれるから安心。

 すると、薄くスライスされたトリュフが、花びらのように料理の上に広がると同時に、テーブルのまわりは食欲を誘う芳醇なトリュフの香りでいっぱいに! いや~、幸せ!

 もちろん、こんなに食べ応えのある量のトリュフを一度にいただくのは初めて。香りを楽しみながら、トリュフとともに料理を口に入れると、スライスされたトリュフのシャキシャキした食感と、キノコならではの味わい、そしてナッツの風味までもが感じられた。トリュフを加えることで、味に奥行きと複雑さが加わり、料理自体の美味しさも際立ったかのような印象を受けた。

 食べているうちにワインが飲みたくなった。トリュフ料理はワインとも相性がいい。同店ではワイン専門商社エノテカがセレクトしたワインをリーズナブルな価格で提供しているので、ぜひ料理とワインのマリアージュも試してほしい。

 ちなみに、黒トリュフは1日5個限定のため、売り切れ御免となっている。特に午後7~8時のピーク時にはオーダーが集中するらしいので、早めの来店とオーダーがおすすめ。