――主演の長瀬智也さんも神木隆之介さんも人気のイケメン俳優なので、今回演じられている役を見て、読者はビックリするのではないかと思います。なぜ、お二人に今回のような役を演じてもらったのでしょうか?

 「僕は、あの二人を二枚目として演出するつもりはなかったんです。普通にカッコ良く撮るんだったら、上手にできる監督はたくさんいるだろうし。自分の映画に出てもらうからには、彼らの普段見られないところを見せたいと思っているので、どうしてもそういう演出になっちゃうんですよね。本人たちも多分そういうことはやっていないと思うから、割と新鮮に感じてくれていると思います」

――私は、本作でのお二人の演技をとても楽しみました! ほかにもロックファンの私には面白いツボがたくさんありましたが、日経ウーマンオンラインの読者・30代前後の働く女性は、この映画をどう楽しんだらいいと思いますか?

 「忙しい人がやっと時間を見つけて、観に行くのが地獄っていうのは、映画監督としてどうかなとも思いますが、女性に限らず、働いている人たちには、働く地獄以外にも『こんな地獄もあるよ!』と思ってもらうのはどうですかね。働くことを地獄だって決めつけてますけども(笑)」

――この映画の地獄は絶対に楽しいから、観たら元気になると思います(笑)。

 「今回は、幅広い世代の人に観てもらえるように作ったつもりなんです。行ったことはなくても、地獄を知らない人はいない。『地獄はこうだから』とは言わないけど、『こうじゃない』とも言えない。神木君が演じている大助の気持ちで観ながら、一緒に地獄を疑似体験して楽しんでもらえるといいなと思います」

――地獄だけしか出てこないと思ったら、現世も出てきますよね。転生するというところも、すごく面白かったです!

 「地獄の転生のルールの中に畜生道というのがあって、動物になって現世に帰ってくるというものなんですが、これだったら映画にできるなと思ったんです。動物の撮影が、あれほど大変になるとは思わなかったけれど」

――動物は思い通りに動いてくれないですものね。

 「そうなんです。でも、CGは使っていないんですよ」

――えっ、それはすごいですね!

 「自分でも、よく撮れたなと思います。してほしい動きをするまで、ずっと待って撮ったんです。インコは特に大変でした(笑)」

――インコがあんな動きをするとは(笑)。ネタバレすると楽しみが減ってしまうので、そこはぜひ映画館で観てほしいですね。

 「すごい動きをしている犬と宮沢りえさんの共演シーンも頑張って撮ったので(笑)、ぜひよろしくお願いします!」