美髪についての知識をお届けしてきた本連載。今回から2回にわたって「まつ毛・眉毛」をピックアップします。濃く・長く・太いまつ毛は女性の憧れ。また、毛流れを感じさせる立体的な眉も若々しさの象徴。まつ毛も眉毛もしっかりと育てていきたいものです。
 驚異の長さと美カールまつ毛の持ち主である、衣理クリニック表参道 院長の片桐衣理さん。小学生でビューラーデビューを果たし、まつ毛パーマ、つけまつ毛、エクステと試し尽くした結果、「自まつ毛」を育てることの大切さを実感したそうです。基礎知識や正しいお手入れ方法について、たっぷりと伺います。

抜いて生えなくなった眉毛も育てることができる

 髪の毛などの他の体毛と同様に、まつ毛・眉毛にも毛周期があり、「成長期」「休止期」「退行期」を一定のサイクルで繰り返しています。まつ毛の毛周期は体毛より早く、個人差が大きいそうです。

濃く、長く、太く伸ばしたいのが、まつ毛と眉毛 (C) PIXTA
濃く、長く、太く伸ばしたいのが、まつ毛と眉毛 (C) PIXTA

 「まつ毛の毛周期は、個人差はあるものの、早いものでは1カ月、遅いものでは3カ月、平均すると2カ月くらいといわれています。日頃から目をこすったり、ビューラーなどでまつ毛を酷使したりしていると、十分にまつ毛が成長しないまま抜け落ちてしまうことも」(片桐先生)

 物理的刺激でまつ毛が抜け落ちてしまうと、次に新たなまつ毛が生えてくるまでの間、まつ毛がそこにない状態になるためスカスカに。また、抜け落ちなくても途中で成長が止まってしまえば、短いまつ毛のままになってしまいます。

 また、若いころに細眉ブームを過ごした世代でさんざん眉毛を抜いてしまった人の中には、思うように生えてこないケースも見られます。

 「繰り返し毛抜きで抜くことで毛母細胞を傷つけてしまうと、毛根が休止してしまうことがあります。毛根が死んでしまったわけではないので、刺激して育ててあげればまた生えて来ることがほとんどです」