市販のシャンプーとサロン専売シャンプーの違いは?

 毎日使い続けるものだけに、気になるのがシャンプーの成分。洗浄成分を比べてみても、髪の毛に優しい印象のアミノ酸系や、ラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムなどの高級アルコール系などがあり、シャンプー選びに迷うところ。

 「高級アルコール系の洗浄成分は泡立ちがよく泡切れもいいので、シャンプー時の摩擦を軽減するメリットがある反面、洗浄力が高いので頭皮に負担がかかる場合もあります。アミノ酸系の洗浄成分は洗浄力が穏やかで低刺激ですが、泡立ちがいまひとつの場合も。どれも一長一短あるので、どれがいい、悪いとは言えませんが、当社ではアミノ酸系と高級アルコール系の両方を組み合わせて両者のよさを生かしています」(渡邉さん)

 成分表示をチェックして、複数の界面活性剤が含まれているシャンプーを選ぶのも一つの基準かもしれません。

 また、価格帯に大きく開きがある、市販とサロン専売品のシャンプーの違いについてもお聞きしました。

 「一言で言えば、使われている成分が異なります。市販のシャンプーは、老若男女が手に取りやすい、幅広く汎用的に設計されている製品が多いと言えますが、サロン専売品は悩みにピンポイントで対処する専門性の高い製品が多いです。美容師のカウンセリングをもとに自分の髪質に最も合う製品を選ぶことができますので、価格は高めですが、ぴったりハマったものが見つかれば、髪質が大きく変わるのを実感できるのではないでしょうか」(渡邉さん)

 次回は、今からケアをしておけば将来の髪が変わる! 髪のエイジングについて詳しくお届けします。

文/中島夕子 写真/PIXTA

プロフィール
渡邉 絋介
渡邉 絋介(わたなべ こうすけ)
ミルボン開発本部 中央研究所基礎研究チーム チーフリサーチャー
専門は毛髪科学。東北大学卒業後、大手金融会社の総合職として勤務。その後、科学者の道へ進むことを決意し、東京大学大学院 理学研究科へ。2013年にミルボン入社。