ダメージを受けるとキューティクルの「ウロコ」が剝がれる
まずは、健康な髪とダメージを受けた髪の電子顕微鏡画像を比較してみましょう。
健康な毛髪。キューティクルのウロコのような重なりが整っています。
ダメージが進行すると、1枚1枚の細胞の並びが乱れて浮いてしまい、そこから毛髪内部のたんぱく質や水分が流出してしまいます。
また、ダメージがさらに進むと、キューティクルが剝がれるだけでなく、切れ毛(裂毛)が起きることもあります。
「キューティクルは摩擦や熱に弱いため、無理なブラッシングをしたり、濡れたまま寝たり、また、ドライヤーやアイロンの熱によって、ウロコ状に重なり合っているキューティクルが剝がれてしまいます。すると、毛髪のツヤが失われるだけでなく、毛髪内部のコルテックスのたんぱく質や水分も流出しやすくなることで、内部ダメージも進行してしまい、毛髪のコシがなくなります」(ミルボン 中央研究所、渡邉紘介さん)
パーマやカラーの繰り返しによって、髪の毛の内部もスカスカに
ダメージを受けるのはキューティクルだけではありません。キューティクルよりも内側にあり、髪の毛の80~90%を占めるコルテックスもスカスカになってしまうことが分かっています。
「特にヘアカラーやパーマなどの化学的処理をした毛髪には、コルテックスの部分に、縦方向に細長い棒状の空洞があることが分かりました。棒状空洞化によって毛髪内密度が低下すると、枝毛やパサつきといった現象につながります」(渡邉さん)
こうしたヘアダメージを引き起こす要因は、日常の習慣に隠れていました。次ページでは、「注意したいヘアダメージ7つの習慣」を紹介します。
肌と比べると、髪の毛のダメージに関してはそれほど気にしていない人が多いのでは?