今回手帳を見せていただいたお二人は、シンプルな使い方が共通していました。無理してページを使おうとせず、自分に必要なものだけを選ぶことも、手帳を上手に使うコツなのかもしれません。

リングノートを手帳にカスタマイズ 必要な分だけ持ち歩く

ヨガインストラクター 平田紗希さん
ヨガインストラクター 平田紗希さん

<使っている手帳>
AQUA DROPs(B5)/リヒトラブ

 「とにかく手帳が大好き」と話す平田紗希さんは、派遣社員として働きながら、ヨガインストラクターをしています。毎年秋に手帳が発売されると、お店をあちこち回って見比べ、迷いに迷って年が明けてしまう……ということも珍しくなかったほどの手帳好きだそう。

 「そこまで迷って選んだ手帳なのに、結局あまりしっくりこなくて、半年くらいで使うのをやめてしまう、ということを繰り返していたんです」

 そこで、平田さんは自分に合った手帳を「自作」することに。今年1月から使い始め、どうやら1年間使い続けることができそうとのこと。どんな点を自分用に工夫したのでしょう?

右はスケジュールと日々のメモが、左はヨガ関連のメモが書かれています
右はスケジュールと日々のメモが、左はヨガ関連のメモが書かれています

 「一つは、手帳の厚みです。ヨガのレッスンがある日は荷物がとても多いので、手帳だけでもなるべく薄く、軽くしたくて。例えば、毎日メモを書くわけではないので、メモページは必要最低限あればいいと思っていました」

 抜き差しのできるリングタイプのノートを手帳として活用することにした平田さん。スケジュールはマンスリーで、日々のメモはノートページで管理しています。市販のマンスリー手帳でも可能ですが、リングタイプのノートを使うメリットは、その日、その月に必要な分だけ持ち歩けること。結果的に、荷物を減らすことができました。

必要な部分を抜き差しして持ち歩いているので、2冊重ねてもこの薄さ!
必要な部分を抜き差しして持ち歩いているので、2冊重ねてもこの薄さ!

【ポイント】

 製本された状態にこだわらない。必要なページのみ抜き出して使えば軽量化できる!

働き方に合わせて週末のスペースをたっぷり取る

 平田さんの自作手帳は、横ケイ線の入ったルーズリーフに、マンスリーのカレンダーを手書きしたもの。ヨガの仕事とプライベートの予定を書き込んでいます。

 「なかなか自分に合った手帳が見つからなかったのは、土日のスペースが小さいことも理由の一つでした。ヨガの仕事は週末が中心なので、平日よりもむしろ土日の枠が大きいほうが使いやすいんです。反対に、平日は派遣の仕事であまりヨガの予定は入らないので、平日のスペースを小さめにしています」

<平田さんのマンスリーページに書かれているもの>
・プライベートの予定
・ヨガのレッスンスケジュール
・ヨガのイベント/セミナーなど

平日に比べて、土日は2倍近いスペースを確保しています
平日に比べて、土日は2倍近いスペースを確保しています

【ポイント】

 自作手帳なら「週末たっぷり」「平日コンパクト」なマンスリーも可能

 メモのページには、日記、タスク、美術展の感想など、さまざまなことが書かれていました。

印象に残った展示があれば、半券と一緒に感想を書き込んでいます
印象に残った展示があれば、半券と一緒に感想を書き込んでいます

 もう1冊のメモ用の赤いノートには、ヨガ関連のメモがまとめられています。

 「セミナーを受講したときのメモや、生徒さんに指導したことなど、ヨガのことはすべてこちらにまとめています。何年も前のメモもありますね。取り外して入れ替えることができるので、新しい年を迎えても転記する必要がなくて便利なんです」

【ポイント】

 数年前のメモも日付を問わず残す。「今、必要なもの」を一冊にまとめて自分仕様に

手帳は自分を客観視するための「カルテ」

 「手帳は、ちょっとしたときにぱらぱらめくっています。その日にあったことや、自分の気持ちをすぐ忘れてしまう気がするので、書き留めて見返しています。手帳を見返すことで、『前進しているかな?』と確認しているのかもしれません」

 そうして読み返すうちに生まれたのが、「落ち込んだときにやることリスト」。「掃除をする」「好きな本を読む」など、いくつも項目が並んでいます。

「落ち込んだときにやることリスト」。思いついたら随時リストに追加しているそう
「落ち込んだときにやることリスト」。思いついたら随時リストに追加しているそう

 「メモを書くときは、プラスでもマイナスでも、感情が高ぶったとき。そういう自分を客観視することで、次に同じことが起こったときにどうしたらいいか、自分の扱い方が少しずつ分かっていくんです」

 平田さんにとって、手帳は日々の自分の状況がまとめられたカルテのようなもの。カルテを読み返し、そこから未来のための行動を考えていくのが平田さんの手帳のポイントでした。

 来年も自作手帳を続けることを決めた平田さん。さらに使いやすく改良していくそうです。

【ポイント】

 「なぜうれしかったのか?」「なぜ落ち込んだのか」をメモ。手帳が自分のカルテになる