今、紙の手帳を使うメリットは?

 スケジュール管理はデジタルで、という方も増えていますが、伊庭さんは紙の手帳のメリットをこんなふうに話してくださいました。「一つ目は、スケジュールが見渡せること。『この日が忙しくなりそうだ』などと一目で分かれば、調整も簡単です。二つ目は、さっと書き込めること。アイデアを思いついたときや、お客様の何気ないつぶやきも、すぐにメモすることができます。落書きのようなものを気軽に残しておけるのも紙ならではのよさですね」

 伊庭さんが以前勤めていた会社では、全社で共有するウェブ上のスケジュール表があったそうですが、二度手間にならないよう、必要最低限のことのみ入力していたそうです。「外出など、他の人に知っておいてほしいところのみ書いておけば、細かい内容までは不要だと思います」

見渡せるバーチカルタイプがおすすめ

1週間を見渡せる、バーチカルタイプがおすすめ
1週間を見渡せる、バーチカルタイプがおすすめ

 伊庭さんおすすめの手帳は、1週間を見渡すことのできるバーチカルタイプだといいます。「スケジュールは箇条書きにするのではなく、時間に合わせて書くことが重要です。マンスリーに予定を書き込んでいるとあっという間に1日がいっぱいになってしまいますが、時間ごとに書いていくと、余裕が見えてきます。ですから、営業職など1日に2~3件予定が入るならバーチカル。デスクワークでさほど予定が入らないなら、マンスリータイプでもいいかもしれませんね」

 今回は、伊庭さんにスケジューリングの心構えを伺ってきました。次回はいよいよ具体的な手帳メソッドを教わります。

聞き手・文/藪内 久美子 写真/編集部、PIXTA

<この人に聞きました>
伊庭 正康(いば・まさやす)
伊庭 正康(いば・まさやす)
株式会社らしさラボ 代表取締役
リクルートグループにて、4万件を超える営業活動を行う。多忙な毎日を手帳によるスケジューリングで支え、残業をしないスタイルで年間の全国トップ表彰を4度、累計40回以上の表彰を受けるなど高い成果を残す。2011年に独立した後は、セールスコンサルタントとして営業研修等を手掛けている。研修・講演・コーチングは年間200回以上。主な著作に「会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン」「神速仕事術40」がある。