身近な存在なのに謎だらけの毛穴。前回・前々回と正しいケアの方法をご紹介しましたが、今回は日経ウーマンオンラインの読者から寄せられた毛穴に関するギモン・質問を、美容皮膚科医と毛穴ケアの専門家がズバリ解決します。

「毛穴が開く入浴中は絶好のケアタイム」は妄想だった

Q.サウナやお風呂で汗をいっぱいかくと毛穴がキレイになる?

A.汗腺と皮脂腺は別。ただし代謝を上げる効果はあり

 「サラサラとした汗を出すエクリン腺と、皮脂を出す毛穴は別の穴です。汗をかくことで毛穴が開いたり、直接的に毛穴の汚れが押し出されたりすることはありませんが、サウナやお風呂で血行がよくなることで肌の代謝を上げる効果はあります。

 蒸気をあてると角質がふやけて、毛穴の入り口がやわらかくなるので、汚れを落としやすくなりますが、毛穴をキレイにしたくてこすりすぎてしまうと、かえって肌にダメージを与えてしまいます」(ポアレスラボ ポアリスト・インストラクター古屋てる実さん)

「汗が出る=毛穴が開く」というわけではありません (C) PIXTA
「汗が出る=毛穴が開く」というわけではありません (C) PIXTA

「汗をかいて代謝が良くなることで、毛穴自体も詰まりにくくなるかもしれません。ただ、高温サウナはミネラル系の成分が出てしまい、人によっては肌に刺激になることも。ダラダラとかく汗よりも、岩盤浴のようにじんわりと出る汗がいいでしょう」(美容皮膚科タカミクリニック 美容皮膚科医本田えりさん)

Q.そもそも、毛穴ケアはなぜ必要なの?

A.見た目をキレイにするだけでなく、スキンケアの効果を高めます

「毛穴は、肌につけた化粧品の通り道にもなるので、毛穴をキレイにしておくと、スキンケア成分の浸透が高まります。また、毛穴ケアによって出過ぎる皮脂をコントロールし、逆に毛穴詰まりで必要な皮脂が出せなくなっている状態を解消できると、皮脂バランスが整って肌を保護する皮脂膜が作られ、乾燥や刺激などトラブルに負けにくい肌になります」(古屋さん)

毛穴ケアをするとスキンケア成分の浸透が高まる(画像提供:ポアレスラボ)
毛穴ケアをするとスキンケア成分の浸透が高まる(画像提供:ポアレスラボ)

「角栓がたまると毛穴は広がり、その角栓を取ろうとして間違った自己ケアを続けると、毛穴の周りに炎症が起きて色素沈着を起こします。そうした炎症が続くと肌が傷つき、たるみ毛穴へ進行しやすくなります。毛穴に汚れをためないことは美肌のファーストステップです」(本田さん)

Q.年々、毛穴が気になるゾーンが増えていくのはなぜ?

A.ハリの低下と汚れの蓄積によるものです

「年齢を重ねるにつれて毛穴が目立ってくるのは、ハリが失われるため。とくに頬は小鼻の横から徐々に範囲が広がってきて、やがて毛穴同士がつながっていきます。また、取りきれなかった毛穴の汚れは時間の経過とともに蓄積されていき、以前は目立たなかった毛穴汚れが気になってくることもあります」(古屋さん)

Q.毛穴が目立つ人、目立たない人の差って?

A.遺伝的要因が大きいようです

「遺伝以外の理由としては、オイリー肌の人は、脂性毛穴による毛穴の開きが目立ちやすく、ドライ肌の人は乾燥毛穴やたるみ毛穴による毛穴の開きが目立ちやすいなど、肌質によっても異なります。間違ったお手入れを続けることも毛穴が目立つ原因となります」(古屋さん)