日頃からのコミュニケーションも大切

 賃貸の場合、部屋を借りている人には一定のルールを守る義務があります。ルールを守らず周囲に迷惑をかけ続けるなら、大家など貸し主は「借り主が用法遵守義務を違反し、貸し主と借り主との間で信頼関係が破壊された」ことを理由に賃貸借契約を解除し、借り主に退去を命じることが可能です。

 大家や管理組合に相談しても埒(らち)が明かない、あるいは持ち家だといった場合は、法的手段に出るのも選択肢のひとつです。騒音で平穏な生活を害された場合、相手の故意または過失により精神的な苦痛を伴ったとして、慰謝料の請求ができます。

 裁判では、騒音計測器で測った数値などを基に、「社会生活上の受忍限度を超えた」騒音であることを客観的に証明しましょう。騒音が原因で不調が続く場合は、病院で診断書を書いてもらうのも有効です。

 騒音などのトラブルは、近所付き合いが希薄なほど怒りが増長する傾向が。日ごろからエレベーターで会った人には挨拶をするなど、ちょっとした心がけを大切にすることも、隣人トラブルを防ぐコツのひとつです。

Q. 上の階に住んでいる人の騒音をやめさせたい!

A. 管理組合や大家さんに相談しましょう

この人に聞きました
松下真由美
松下真由美さん
レイ法律事務所 弁護士
静岡県出身。離婚、介護、相続トラブルなど、家庭の中で起こるトラブルを得意分野とし、メディア出演やセミナーの開催も行っている。

取材・文/瀬戸久美子 漫画/ハラユキ 写真/PIXTA

日経ウーマン2017年11月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります