いくら戻ってくる?

 今年3月、格安旅行会社「てるみくらぶ」が破産手続きに入ったというニュースが話題になりました。旅行好きの人にとっては、とても他人事とは思えなかったことでしょう。

 旅行会社が倒産した場合、既に支払った旅行代金は戻ってくるのでしょうか。結論から言うと、所定の手続きを踏めば、旅行代金の全額もしくは一部を弁済してもらうことはできます。一人当たりの弁済額は、旅行会社の売上高や消費者が既に支払った旅行代金の合計額などによって大きく変わります。

 旅行会社が破産した場合、消費者はまず、「弁済業務保証金制度」の案内をしている旅行業協会に認証申請書類を提出する必要があります。旅行業協会には主に、「日本旅行業協会」と「全国旅行業協会」があります。どの旅行会社がどの協会に加盟しているかは、旅行会社のパンフレットやホームページで確認しましょう。

 旅行代金には、国が設けた弁済制度があります。弁済額の上限は旅行会社の売上高によって異なり、てるみくらぶの場合は1億2000万円。その額を、認証申請をした人たちが支払った旅行代金に応じて比例配分し、旅行業協会を通じて返済されます。*破産時に8万〜9万人が代金を支払い済みだった今回のケースでは、弁済申請も数万人規模になり、1人当たりの弁済額はわずかでしょう。*

*旅行業協会に加盟していない旅行会社は、営業保証金を法務局に供託する必要がある。旅行会社の破産時などは、営業保証金から弁済される。