世の中は著作権法違反であふれている

 考え方としては3つ。1つは作り手の許諾を得ることですが、ハードルが高いこともあります。2つ目は個人もしくは家庭内など、あくまでも私的なシーンでのみ使う場合。ただしSNSで発信する場合は、私的利用であっても公衆送信権侵害となります。3つ目は作り手の著作権が切れている場合です。これらの例外に含まれなければ、著作権の侵害になります。

 テレビ画面を写真に撮ってSNSにアップしている人も時折見かけますが、実はこれも著作権法違反になります。SNS用のアイコンに漫画のキャラクターを使う、有名人の画像を使うなども、厳密に言えばすべてアウト。世の中は、皆さんが思っているよりもはるかに多くの著作権法違反であふれているのです。

 著作権侵害を指摘され、SNSが炎上してしまったらどう対処すればいいのでしょうか。

 アップした画像はSNS上から消したほうがいいでしょう。画像を消しても著作権を侵害した事実は残りますが、被害の拡大を防ぐことはできます。消した後は「至らぬ点があり、申し訳ありませんでした」と一言、素直な反省の言葉をアップした上で、再び同じ間違いを犯さないことが大切です。

Q. 女優さんの画像を転載したら、SNSが炎上!

A. 画像を無断で使うのは「法律違反」

この人に聞きました
小林利明さん
骨董通り法律事務所 弁護士・ニューヨーク州弁護士
2007年に弁護士登録し、長島・大野・常松法律事務所に入所。13年にニューヨーク大学法学修士課程を修了。米国法律事務所での勤務を経て、14年9月から骨董通り法律事務所に所属。知財や労働法などに詳しい。

取材・文/瀬戸久美子 漫画/ハラユキ 写真/PIXTA

日経ウーマン2017年5月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります