定刻発着は「義務」ではない

 電車の遅延のニュースは後を絶ちません。通勤電車が遅れて会社の始業時刻に間に合わなかったときはもちろん、休日も電車の遅れで大事な予定をキャンセルせざるを得なくなったりすると、つい鉄道会社に怒りの矛先を向けたくなることもあるでしょう。

 しかし、意外に思うかもしれませんが、鉄道会社には定刻通りに電車を到着させなくてはいけないという義務はありません。時刻表はあくまでも“目安”であり、定刻通りの発着を保証するものではないのです。

急いでいるときの「運転見合わせ」ほど絶望的なことはありません (C)PIXTA
急いでいるときの「運転見合わせ」ほど絶望的なことはありません (C)PIXTA

 鉄道会社には「運送約款」という、鉄道会社が定めている規則があります。旅客が切符を買い、乗車した時点で鉄道会社の規則に同意したことになります。鉄道会社が定時での到着を保証していない限り、電車の遅延で旅行が台無しになったとしても、鉄道会社に損害賠償を請求することは難しいのです。

 ただし運賃については、例えばJRなら、「特急や急行列車が2時間以上遅れた場合は、特急・急行料金を払い戻す」など、状況に応じて細かな規則を定めています。鉄道会社により対応は異なりますので、鉄道会社の規則をチェックするといいでしょう。