女性リーダーとしてのマイルール

 会場の皆さんにも、女性リーダーとして活躍し、迷っている人がたくさんいると思います。「女性リーダーとしてのマイルール」も教えてください。

パソナ岩下 「話し方」に気を付けています。男性上司には「論理的ではない話は通らない」と分かっていましたので、かなり用意周到に準備していました。反対に部下と1対1で話すときには心を開いてもらえるよう、女性らしさを心掛けていました。自分はあえて話さず、聞き役に回ることもあります。この2つを意識して使い分けています。

積水小谷 リーダーとして、「大きな目標をみんなで共有する」ことです。例えばチーム内の平等意識が強過ぎて、誰も上位を目指さなかったり、モチベーションが低かったりする場合があります。そんなときはメンバーを束ねて目標を立て、突破口を作ります。また女性リーダーが少ない中でも、「意見を言うことをちゅうちょしない」。意外と男性とは違う意見を言うことは、必要とされていると感じます。

アビーム石田 「メンバーの成長に注力する」ことですね。コンサルタントの仕事は決してラクではありませんが、それでも成長したいという意欲のあるメンバーが多いので各個人が何をしたいのかヒアリングし、達成できる場をつくるようにしています。またリーダーになったからゴール達成ではなく、「常に高い目標を設定してそこに向かっていく」姿勢や行動を見せるようにしています。

 部下たちが発言しやすいようにする雰囲気づくりは、どのようにしていますか。

アビーム石田 個人としての意見を言うのが恥ずかしかったり周りの目を気にしてしまう場合もあるので、客観的な発言ができる雰囲気づくりを心掛け、「チームとしてどうすべきかを意識した発言」を求めます。

積水小谷 朝礼をうまく使います。みんなで一冊の本を読み、いいと思った項目とその理由を挙げてもらうと、その人の価値観が分かります。

パソナ岩下 怖い上司の前では意見も言えないと思いますので、「口角を上げて話を聞く」ようにしています。私も相当厳しいことは言うのですが、せめて話を聞くときの顔は優しくするよう意識しています(笑)。

心地よいワークライフバランスを保つためのルール

 次は仕事とプライベートの両立についてお聞かせください。仕事と生活のバランスを取るために、どうしていますか。

アビーム石田 きちんと休暇を取れるよう、「自分だけにしか分からない仕事はつくらない」ようにし、チームメンバーと共有しています。また忙しい時期は家事の分担も必要ですので、夫には仕事のスケジュールや状況を共有するようにしています。

積水小谷 「仕事は全力でやる」、「子育てはみんなでやる」がモットーです。実家の近くに住んで父母に子育てを手伝ってもらい、それでも手が足りないときはベビーシッターにお願いしました。子どもを早く自立させ、それぞれ自分で家事ができるようにもしました。今は子どももよき理解者で、仕事上のアドバイスをくれることもあります。

パソナ岩下 「メリハリをつける」ですね。毎年12月にホノルルマラソンに出走しているのですが、繁忙期に休むのは若干周囲の視線が気になるので、他の時期に頑張り、迷惑を掛けないようにしています。また、夫には「スケジュールをオープンにする」。出張など私の代役がいない仕事の日程は必ず伝えています。今では子どもがせきをした瞬間に「来週休める?」と夫婦でお互いの予定を確認しています。