東京ミッドタウン(東京・港区)で12月2日(金)~3日(日)に開催された「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」。12月3日には、2名の専門家を招き「冬の乾燥期をしっとり乗り切る最新スキンケア」が開催されました。年齢や環境による肌への影響、最新の肌動向に関する解説をまとめてご紹介します。

肌からのSOS! 自分でできる乾燥チェック

 近年、都会の冬の乾燥が今までにないほど進んでいるといわれています。乾燥すると肌のバリア機能が落ちるというのはよく知られた話ですが、実はそこから侵入した物質が体内を巡り、あちらこちらで不調を起こしているという研究結果もあります。日経BP総研主席研究員の西沢邦浩によると、新生児期の湿疹がアトピー発症の原因の一つにもなっているとする研究もあるのだそう。

 「自分で上手に食べられない赤ちゃんが口元を汚してしまっている姿、よく見ますよね。『かわいい~』とつい笑顔で見守る親御さんもいるかもしれませんが、こうした汚れなどによって湿疹ができると、そこから入ったアレルゲンがアトピーを引き起こすケースがあることが分かってきました。肌はデリケート。赤ちゃんだけでなく、年齢を問わず、丁寧なスキンケアを心掛けたいものです」(西沢)

 乾燥による肌荒れを防ぐに当たり、まず知っておきたいのが自分の肌の乾燥度合い。津田クリニックで皮膚科医として数々の臨床経験を行い、美容のプロからも注目されている津田攝子さんに、その場で簡単にできる乾燥チェック方法を教えてもらいました。日ごろの生活を振り返り、以下の8項目をチェックしてみましょう。

1.女性である
2.40歳以上である
3.アレルギー(アトピー)体質である
4.ストレスが多い。イラッとすることが多い
5.寝不足気味である
6.ダイエットしている
7.エアコンの効いた環境にいる
8.ゴシゴシ洗顔する/キュキュッと洗うのが好き

津田クリニック 副院長 津田攝子さん
津田クリニック 副院長 津田攝子さん

 すべて当てはまる方は要注意。一部だけ当てはまる人も、年齢や状況によってさまざまな症例につながるようです。津田さんは肌の細胞を使ったテストを行い、年齢別に角質細胞の様子を調べました。

 「20代の患者さんはアレルギー体質の方でした。PM2.5や黄砂の飛散数値が高い日にはかゆみが増すため、症状悪化の原因として大気汚染の影響が疑われました。30代の患者さんは肌のきれいな方でしたが、冬になるととても乾燥するそうです。美肌に見えても、バリア機能のある肌でないと不具合が起きてしまいます」(津田さん)

 また、今まで保湿対策をしていなかった40代の方や、更年期を迎えた50代の方は、肌の変化が顕著に表れていました。

 「40代の患者さんはベタつく化粧品が苦手な方。Tゾーンが脂っぽく保湿ケアをしなかった結果、不安定な肌になってしまいました。50代の患者さんは更年期で急に化粧品が合わなくなってしまったとのこと。家庭内での心配事も重なり、角質細胞が厚く剝がれてしまうもろい肌になっていました」(津田さん)

 しかしどの患者さんも、皮膚の細胞配列を整えるケアをした結果、ツヤのある強い肌に変わったそう。津田さんによると、毛細血管から皮膚へ十分に栄養を運ぶことで細胞の形が整い、刺激に強く潤いが抜けにくい肌になるとのことです。では、私たちが日常的なケアを通してこのような肌を手に入れるには、どうすればよいのでしょうか?