気になる一般的な矯正の手順と期間

歯学博士で、日本矯正歯科学会認定医であり、ご自身の歯科矯正体験について「心も変わった」と語る安永さん
歯学博士で、日本矯正歯科学会認定医であり、ご自身の歯科矯正体験について「心も変わった」と語る安永さん
歯学博士で、日本矯正歯科学会認定医・専門医でもある佐藤さん
歯学博士で、日本矯正歯科学会認定医・専門医でもある佐藤さん

 ここで、安永さん本人の写真が紹介されました。学生時代に歯列矯正を行った際の様子です。

 見比べると、歯並びが顔の表情にまで影響を与えていることが一目瞭然。「健康な歯を4本抜いて器具を装着し続けなければならないため、途中は何かと大変なこともありましたが、矯正を終えた大学時代は心も変わって、ちょっとモテるようにもなって、楽しかったですね」と安永さん。

 歯列矯正の目的は、正しい形態・正しい機能を与えること。これにより、しっかりかめて、口が閉じやすくなることで鼻呼吸しやすくなります。この鼻呼吸が、健康維持の面でもとても大事なのだとか。

 「歯科医師としては、正しい形態と機能を与えることが主目的です。この目的を果たせば、見た目の美しさも後から必ずついてきます。そのため、最初の検査・診断がとても大事。患者様がどういう結果を求めていて、それに対して我々は何ができるか、何ができないか、しっかり話し合います」

 そして、近ごろ時々耳にするトラブルの原因は、この最初の検査・診断・コミュニケーションが中途半端だったことによって起こることが多いと安永さん。

 ちなみに当院では……、と安永さんのクリニックの標準的な矯正の手順を見せてくれました。写真検査、レントゲン検査、CT検査、模型検査などを基に分析を行い、さまざまな観点から綿密な検査・診断・シミュレーションを行った上で、動的治療に入ります。特に成人矯正では、審美補綴治療や歯周外科治療など他の専門分野の先生との連携した治療計画の立案が必須です。

 「いよいよ歯を動かしていきます。成人矯正では、期間は症例によりますが、平均2年から2年半ほど。月に1回、経過を診せてもらいます」

 動的治療が終わると保定期間へ。装置を外した後も、元に戻らないよう固定する必要があり、こちらもだいたい2~3年は要するとのこと。

 「生きている限り歯は動きますから、この期間もとても大事です」