福岡国際会議場(福岡・博多区)で10月8日(日)に開催された「WOMAN EXPO FUKUOKA 2017」。日経BP社執行役員で元「日経WOMAN」編集長の麓幸子・日経BP総研マーケティング戦略研究所長の「新時代をつくる女性のキャリア戦略~仕事も私生活もなぜかうまくいく女性の習慣とは」は、開場前からズラリと長い列ができていました。ステージ上を歩きながら、集まった女性たちに熱く語りかける麓所長。皆さん真剣に聞き入り、示唆に富むスライドをスマートフォンで撮影する姿も多く見られました。

日経BP社執行役員で元「日経WOMAN」編集長の麓幸子所長
日経BP社執行役員で元「日経WOMAN」編集長の麓幸子所長

 今年、働く女性のためのキャリアの教科書として「仕事も私生活もなぜかうまくいく女性の習慣」を出版した麓所長。講演では、3つの立場から話を展開しました。一つ目は、88年に創刊した「日経WOMAN」の記者や編集長として30年以上にわたり「成功した働く女性」を取材する中で見えてきた共通項について。二つ目は、50歳から夜間大学院に通い、キャリアデザイン学の修士を取得する中で学んだ理論について。それから最後に、二人の子どもを育てながら働いてきた母としての立場から具体的なエピソードを踏まえて話をしました。

活躍したい女性にとって、かつてないほどいい時代が到来

 まず大切なのは、「この時代をどう見るかという認識」だといいます。なぜなら、時代の見方を誤ると、正しいキャリア戦略が立てられないからです。

 「今の時代は、意欲のある女性にとって千載一遇のチャンス。長きにわたって取材を続けてきましたが、優秀な女性たちを活躍させたいという企業経営層の意欲がこれほど高まったことはいまだかつてありません。皆さんはとてもラッキーな方々なのです。この時代の波をうまく活用して、どんどん自分の活躍の場を拡大してください」とメッセージを送ります。

 では、なぜ国や企業は女性を活躍させたいのでしょう。麓所長によると、一つは少子高齢化の影響で働き手が足りなくなるという量的な背景があります。さらに質的な背景として、例えば、経営メンバーが「50代以上・日本人・男性」というようなモノカルチャーであると、イノベーティブなことが起こりにくく、リスク管理能力や変化適応力も高まらないため、女性の活躍が期待されているとのこと。

 「女性が昇進して、意思決定の場にいること、多様な意見があることが、皆さんのキャリアはもちろん所属している組織にとっても、とても重要なのです。これまでの日本には、『男性は仕事、女性は家庭』という性別役割に基づく社会システムが根強くありましたが、それはもはや時代遅れ。時代が大きく変革していく中で、私たち女性が男性と一緒になってシステムを打ち砕き、『CHANGE MAKER』となることが求められています」

麓幸子のキャリアセッション
WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winterでも開催します【無料】


新時代は女性たちが切り開く!
~We are CHANGE MAKERS!

2017年12月2日(土)15:35~16:15
申し込みはこちら ⇒ http://www.woman-expo.com/tokyo-winter/session/session-detail?m=1&eid=139