歯周病に立ち向かえる歯みがき剤とは?

 気付きにくく、感染してしまうと菌の除去も難しい歯周病ですが、吉田さんが毎日のセルフケアに取り入れられる、心強い対抗策を教えてくれました。

 「歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防へのアプローチとして、バイオフィルムには『殺菌』成分が、歯ぐきには『抗炎症』と『歯ぐき細胞を活性化』する成分が武器となります」(吉田さん)

 ここで、参加者全員に配られた歯みがき剤「システマ ハグキプラス ハミガキ」を例に取り、成分について説明がありました。バイオフィルム殺菌には「イソプロピルメチルフェノール(IPMP)」、抗炎症成分として「トラネキサム酸」、歯ぐき細胞の活性化にはハンドクリームなど化粧品にも用いられる「アラントイン」が配合されています。

 「真矢ミキさんのCMでもおなじみですが、歯ぐきの衰えが気になる方には特におすすめです」と吉田さん。

 さらに、就寝前のオーラルケアの重要性についても言及。「寝ている間は、唾液の分泌が減って細菌量が増加するため、しっかりケアをしてあげる必要があります」ということで紹介されたのが「システマハグキプラス ナイトケアジェル」。高濃度のビタミンE(酢酸トコフェロール)を処方することで、歯ぐき細胞の抵抗力を強化して歯周病予防に。そして独自の「高滞留処方」によって、薬用成分が翌朝までしっかり口の中に残って効いてくれるということです。

 これまでどの成分が何に効くかよく分からないまま、パッケージや金額で歯みがき剤を選んでいたという人も、今回詳しい説明を聞いたことで選び方が変わってきそうです。

美と健康をテーマにした「日経ヘルス」発行人の藤井省吾(左)と、美容誌「etRouge」編集長の麻生綾(中)
美と健康をテーマにした「日経ヘルス」発行人の藤井省吾(左)と、美容誌「etRouge」編集長の麻生綾(中)

 吉田さんによる解説がひと通り終わったところで、「日経ヘルス」発行人の藤井省吾と、「etRouge」編集長の麻生綾も登場し、素朴な疑問の数々を投げかけていきます。

「健康な歯ぐきの色は?」

――ピンク色です。赤く腫れていたり、黒ずんでいると、歯周病に罹患している可能性があります。

「タバコの影響は?」

――ニコチンによる血流低下で、歯ぐきが黒ずんで見えてしまいます。喫煙は歯周病のリスクファクターなので、禁煙をおすすめします。

「歯周病はキスでうつる?」

――歯周病原因菌の感染は起こりうるので、正しい歯周病ケアを実践しましょう。

 そして今回の話を通して気付いたこととして、「ハミガキ=クレンジング、ビタミンE入りのナイトケアジェル=美容液パック、まさにスキンケアですね!」という二人の言葉を受けて、「はい。まさしく、肌と歯ぐきは、構造上は似たもの同士。ぜひスキンケアと同じように、歯ぐきもしっかりケアしてあげてください」と吉田さん。歯や歯周病に関しては、細胞レベルで研究が進んでいるとのこと。今後も最先端のケアに注目してほしいというメッセージで締めくくられました。

文/氏家加奈子 写真/菅祐介