花粉飛散や大気汚染、そして紫外線……肌への刺激要因はさまざま。コスメの世界でも、こういった刺激要因に対応するものが増えており、上手に取り入れていきたいですね。男性美容研究家の藤村岳さんに解説していただきます。

 皆さん、こんにちは。男性美容研究家の藤村岳です。日差しがどんどん強くなり、そこに、ピークを迎えたスギの花粉症が加わる季節。また、少し遅れてヒノキやシラカンバ、さらにイネ科の植物といった花粉の飛散があり、そして黄砂の飛来も続き……と、まだまだ油断はできません。今回は、男女ともに悩まされる花粉症などの刺激物質対策について考えてみたいと思います。

都市生活者はより注意……肌を刺激するさまざまな要因が潜んでいます (C) PIXTA
都市生活者はより注意……肌を刺激するさまざまな要因が潜んでいます (C) PIXTA

 花粉症に悩んでいる方はマスクや投薬治療など既にいろいろな方策を立てていることでしょう。ここではそれらは除外して、美容に関することをお話しします。実は、美容業界ではここのところ個人的に「バリア系」と呼んでいるコスメがたくさん出てきています。

 「バリアする」といえば、今までは紫外線からのみでした。それが、近ごろは「近赤外線」や可視光線の「ブルーライト」も肌に深刻なダメージを与えることが研究によって分かってきており、紫外線にそれら二つを加えた三つの光からのバリア機能が普通に備わってきています。

 とはいえ、それも昨年までの話。今年はさらにPM2.5に代表されるような大気汚染の原因となる微小な粒子、そして花粉までをもターゲットにしているコスメが続々と登場してきているんです。

 ランコムの調査では「都市生活者の肌は、早く老化する」のだそう。「都市部の大気は微粒子や有毒ガス、また地表付近で有毒化するオゾンなどにより汚染されている」のだとか。しかも日本の人口の93%は都市部で生活をしているので、まさに自分たちの問題としてきちんと捉えるべき。汚染された粉塵や微粒子はシミを増加させ、ほうれい線を深く刻むことが分かったのですから。

 そして、ランコム研究所の新知見として、大気中の微粒子は紫外線A波(UVA)によるダメージを約4倍も増幅することが分かったそう。複合的な要素でダメージが増幅されるなんてとても怖いですね。