薄毛問題、男性と女性の違い

 男性は主に頭頂部や前頭部が薄くなってきますが、FAGAは全体的に薄くなるという特徴があります。妊娠中や出産前、ピル服用中など、ホルモンバランスが崩れることがすでに分かっている時期なら、原因がホルモンバランスだと特定しやすいですね。女性ホルモンが安定すると、3~6カ月で復調してくる人が多いようです。

 しかし、ストレスや食生活、睡眠不足などが引き金になっている場合は、原因をなかなか特定しづらくて、どんどん薄毛が進行してしまうことも。もし、心配なら婦人科や皮膚科を受診することをお勧めします。

 FAGAの他にも、これまたストレスと大きく関わる「円形脱毛症」や、通称ポニハゲなどと呼ばれる「牽引(けんいん)性脱毛症」もあります。ポニーテールやヘアエクステンション、夜会巻きなどで頭皮や髪を牽引することで、ある一定の箇所に負荷がかかりその部分が薄くなることです。これを防ぐには、分け目を変えたり、たまには結ばずに髪を下ろしたり、ヘアアレンジを工夫しましょう。

 このようにさまざまな種類のある女性の薄毛。内服薬と外用薬を組み合わせて各人に適切な治療をするには、ドクターが不可欠だとお分かりでしょう。

最新の薄毛治療って、どうなってるの?

 ボクが最も効果的だと思うのは、やはりドクターに診てもらうこと。女性の薄毛対策にも内服薬と外用薬があり、きちんと治療すれば薄毛は克服できるようになってきています。

 内服薬の「プロペシア」は男性用で女性には使えませんが、「ミノキシジル」のタブレットは女性にも処方されることもあります。男性に処方される「ミノキシジル」に比べて低濃度でも効果があるとか。ミノキシジルは髪だけではなく体毛の発毛も促進するので、女性は濃度の選択が難しいところ。

 そこで、女性には「パントガール」という内服薬もあります。こちらは、ケラチンやパントテン酸カルシウム、L-シスチン、ビタミンB群などが含まれており、比較的穏やかな薬効で知られています。しかし、妊娠・授乳中は要注意です。

 先ほど、「プロペシア」は女性には使えませんが、と言いました。これは男性ホルモンに影響するため妊娠中に女性が摂取してしまうと、胎児が男の子だった場合、性器の発達に異常を来すこともあるから。また服用せずとも手で薬に触れただけで、経皮吸収されることもあるそうで、もしパートナーや家族が服用しているなら、取り扱いに必ず気を付けてください。

 その他、外用薬として血管拡張作用のある「フロジン液」や、抜け毛を抑制するアルファトラジオールを配合している「パントスチン」もあります。こちらはFAGAの女性はもちろん、ホルモンへの作用がプロペシアに比べて穏やかなのでAGAに悩む男性にも処方されることもあるそうです。

 さまざまな処方薬があり、素人では分かりません。飲み合わせなども考慮すると、勇気は必要ですがやはり専門のドクターに相談するのがベスト。インターネットを通じて、薬の個人輸入もできる時代。しかし、性機能改善薬やダイエット薬などの例を見ると偽物が横行しており、なかなか信頼はできません。偽物の薬による事故も起きているので、安易な個人輸入は避けるべきでしょう。