• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

舞台は世界! 日本を飛び出して見えたこと

仕事選び失敗で過労入院 放浪先で見つけた新しい人生

2017年10月19日

ニューヨーク在住の映画監督・プロデューサー 佐々木芽生さん

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

 捕鯨問題を扱った長編ドキュメンタリー映画「おクジラさま ふたつの正義の物語」が公開され話題を呼んでいる。監督は、ニューヨーク在住の佐々木芽生さん。硬派なジャーナリストと思いきや、その人生の出発点は誰もが経験しそうな「目的がなくただ遊んでいた」という学生生活。仕事選びに失敗し、インド放浪の旅に出た佐々木さんが、ニューヨークという町と出会い映画制作に至るまでの道のりを聞いた。

佐々木芽生(ささき・めぐみ)

映画監督・プロデューサー。北海道生まれ。フリーのジャーナリストを経て、1992年よりNHKアメリカ総局勤務。「おはよう日本」にてニューヨーク経済情報キャスターを務め、その後独立して、テレビの報道番組の取材、制作に携わる。2008年、初の監督作品「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」を発表。世界30を超える映画祭に正式に招待され、米シルバードックスドキュメンタリー映画祭、ハンプトン国際映画祭などで、最優秀ドキュメンタリー賞、観客賞など多数受賞。2013年、続編にあたる映画「ハーブ&ドロシー2 ふたりからの贈りもの」を発表。2016年、3作目に当たる長編ドキュメンタリー映画「おクジラさま ふたつの正義の物語」を完成させ、同年釜山国際映画祭コンペティション部門に正式招待された。日本では2017年9月より全国順次公開。著書に同映画制作の舞台裏を書いた「おクジラさま ふたつの正義の物語」(集英社)。

 今、私はアメリカ東海岸のニューヨークを拠点に活動をしています。ニューヨークに住むようになって、今年でちょうど30年目。でも、実は初めて訪れたアメリカは大嫌いでした。

 最初にアメリカの地を踏んだのは、17歳のとき。高校の交換留学制度で米中西部のアイオワ州に行ったんです。学校があった町は人口3000人ほどの本当に小さなコミュニティーで、みんな、外国人の私をお客様として温かく迎え入れてくれました。でも、常に見られている感じがして息が詰まりました。それに、あまりにも世界のことを知らな過ぎるんです。

 私がジーンズとTシャツを着ていると、「そんな格好で大丈夫?」と聞く。「え?」と言ったら、「日本人はみんなキモノを着るものだと思っていた」とか真顔で言われる。日本車のホンダに乗っているのに、日本では人力車を引いていると思っている、とか。ピザチェーンのシェーキーズは「日本にもあるんだよ」と言ったら、「日本にもピザがあるけどトッピングは刺身」と地元の新聞記事に書かれる、とか。もう、めちゃくちゃな感じで。自分たちの住む狭い地域のことにしか関心がないんです。

 帰国してから、しばらくアメリカは行きたくないなと思いました。

遊びながら何かが満たされていなかった

「大学生のときのいい思い出がなくて。実は大学を卒業していなかった、という夢を見て夜中にぱっと起きてしまうこともあります」

 「英語はもういい」と思って、大学は青山学院大学のフランス文学科に進みました。目指すものもなく、大学生のときは六本木のクラブとかで、ひたすら遊んでいましたね。ぱっぱらぱーな感じ(笑)。バブルの頃で、アルバイトは晴海(※編集部注:当時は大イベントの主会場は晴海だった)で行われるイベントのコンパニオンとか。

 将来何をやろうとか、何がやりたいとか全く考えてなくて。でも、遊びながら何かが全然満たされていないと感じていました。

 大学生の頃の記憶は、ぽっかり抜けているんです。時々、実は自分は大学を卒業してなかった、みたいな夢を見て、夜中にぱっと起きることがある。目が覚めると、汗だくになっていて、私ってもしかして高卒なんだっけ、大学に行こうと思って行けなかったんじゃなかったっけ、って。遊び過ぎて、実は卒業してなかった、みたいな。

 いい思い出が、ないんですよ。

 テストがものすごく難しいことで有名な18世紀フランス文学の先生がいて。先生は嫌いだったけど、すごく勉強してテストを受けたことがあったんです。そうしたら、難しくなかった。でも、周りの友達は全然勉強していないから、試験のとき「メグ、見せて」とか言われて、答案用紙をなにげなく周りの人に見せたりしていたんです。そうしたら、私がカンニングしたって言いがかりをつけられた。

 私の答案は満点近かったんですが、「僕のテストでこんなに高得点を取れるはずがないんだ」と言って、点数を半分にされてCを付けられました。もう、権力とはどんなものかという原体験ですね。悔しいけど、何もできなかった。


★日経ウーマンオンラインに関する簡単なアンケートにご協力ください

この記事をSNSにシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

Facebookコメント

※Facebookのコメント機能は、Facebookのソーシャルプラグイン機能を用いて実現してい ます。本機能、およびコメントの内容について、日経ウーマンオンラインは一切の責任を負い ません(日経ウーマンオンラインからのコメントを除く)。また、コメントを非表示にしたり、機能を停止することがあります。

コラムのバックナンバー

関連キーワードから記事を探す
働き方教養・マナー

Topics

CloseUp

WOL Selection

PAGE TOP

ログインしていません。

  • ログイン
  • 無料会員登録

Pickup

Focus

最新刊のご案内

  • 仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ
    日経ウーマン 12月号

    特集:「部屋を片づけると勝手にお金が貯まる!7つの理由」大公開!年100万円貯めてる人の財布・冷蔵庫・クローゼット 特別付録:書くだけで貯め上手になる!マネー手帳 2018上半期

  • もっと健康に、もっと美しく
    日経ヘルス 12月号

    特集 ご飯OK!油OK!賢く食べて体脂肪オフ 「ラクにやせる 糖質・脂質 とり方の正解!」リバウント知らず、一生太らない!

  • 働くママ&パパに役立つウェブマガジン
    日経DUAL 11月号

    「日経DUAL」11月号は「地頭がいい子を育てる暮らし方」「DUAL独自調査!家事代行サービスランキング」2本の大型特集のほかに、【妊娠・復帰】【保育園】【小学低学年】【小学高学年】と、子どもの年齢を4つに分類し、それぞれの年齢で今知りたいノウハウをお届します。「中田敦彦 ユーチューバーの活躍に危機感があるから」「魔裟斗 最初は子どもなんて欲しくなかった」など注目の記事も満載です。

働く女性 必読の書

おすすめ本日経ウーマンの本日経ヘルス&プルミエの本

もっと見る

キャリア&スキル
就職・転職
働き方
副業
お仕事術
コミュニケーション術
資格・語学
マネー
PC・スマホ
教養・マナー
ウーマン・オブ・ザ・イヤー
ヘルス&ビューティ
ダイエット
カラダの悩み・病気
メンタルヘルス
健康レシピ・食材
メイクアップ
スキンケア
健康知識
ライフ
恋愛・結婚
人間関係の悩み
お買い物・節約術
整理・収納
ファッション
グルメ
エンタメ
旅行・お出かけ
暮らし方

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

PC版 | モバイル版

日経ウーマンオンライン

広告をスキップ