YouTubeでは、日々さまざまな動画が投稿されている。中には、情報が多い面白い動画を投稿しているYouTuber(ユーチューバ―)も多数おり、人気を集めている。そんなYouTuberが引き起こすトラブルや犯罪が目立ってきており、社会問題化している。
特に小中学生におけるYouTuber人気は絶大だ。例えば中学生に関しては、ソニー生命保険の「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」(2017年4月)に興味深いデータがある。将来なりたい職業について聞いたところ、男子中学生の第3位、女子中学生の10位にYouTuberがランクインした。
男子中学生(n=100) | % | |
1位 | ITエンジニア・プログラマー | 24.0 |
2位 | ゲームクリエイター | 20.0 |
3位 | YouTuberなどの動画投稿者 | 17.0 |
4位 | プロスポーツ選手 | 16.0 |
5位 | ものづくりエンジニア(自動車の設計や開発など) | 13.0 |
6位 | 公務員 | 11.0 |
7位 | 学者・研究者 | 10.0 |
社長などの会社経営者・起業家 | 10.0 | |
9位 | 教師・教員 | 9.0 |
医師 | 9.0 |
女子中学生(n=100) | % | |
1位 | 歌手・俳優・声優などの芸能人 | 19.0 |
2位 | 絵を描く職業(漫画・イラストレーター・アニメーター) | 14.0 |
3位 | 医師 | 13.0 |
4位 | 公務員 | 11.0 |
5位 | 文章を書く職業(作家・ライター) | 10.0 |
6位 | 保育士・幼稚園教諭 | 9.0 |
7位 | 教師・教員 | 8.0 |
ゲームクリエイター | 8.0 | |
9位 | デザイナー(ファッション・インテリアなど) | 7.0 |
10位 | YouTuberなどの動画投稿者 | 6.0 |
マスコミ関係(記者・TV局スタッフなど) | 6.0 |
テレビを見ない子どもも増えてきた中、YouTuberなどのインフルエンサーが新しい企業の広告塔として注目されてきている。ところが同時に、YouTuberが起こす事件が目立つようになってきた。その背景と影響について考えていきたい。
モラルを問われるYouTuberの投稿動画
2018年1月、米YouTuberのローガン・ポール氏が来日した際、青木ヶ原樹海で自殺者とみられる遺体を撮影した動画を公開して問題となった。これは社会的な大問題に発展し、米メディアでも報道された。ローガン・ポール氏はこれ以外にも、タコの脚と魚を手に渋谷の街を走り回る動画など、非常識な行動を撮影した動画を多数投稿していた。
Googleは彼の行動を問題視し、広告枠から除外し、共同開発していた独自コンテンツの制作も中止した。しかし、青木ヶ原樹海で撮影した動画は削除までに数百万回再生されており、対応の遅さが指摘されている。
さらにローガン・ポール氏は、2月5日にもネズミの死骸を弄ぶ動画を公開している。このような一連の問題行動を受けて、Googleはローガン・ポール氏のチャンネルから広告を一時的に引き上げた。ところが、この原稿の執筆現在も彼のチャンネルには登録者数は1600万人以上おり、動画を投稿し続けている。彼は、10代に影響力を持っているといわれている。