撮影時に相手に確認しよう。スタンプで隠すテクも

 最近は、SNS上で写真を公開する場合は、撮影時に「この写真をFacebook(Instagram)で公開(タグ付け)してもいい?」と聞く人が増えている。

 SNSでは顔写真どころか、実名も公開していない人もいる。一方で、実名で顔写真を公開した上で、学校名や勤務先、居住地まで全体公開している人もいる。SNS上にどのような情報を公開するかというスタンスは人によって大きく異なるので、相手のスタンスを確認すべきだろう。

 また、その場にいることをSNSで公開されたくない人もいる。Bさんはある仕事の納期が遅れた状態で飲み会に参加していたが、勝手に写真にタグ付けされて飲み会に参加していたことがクライアントにばれてしまい、叱責されたという。このようなトラブルは頻繁に起こっている。

自分の情報が知らないところで勝手に公開されていたとしたら… (C) PIXTA
自分の情報が知らないところで勝手に公開されていたとしたら… (C) PIXTA

 撮影時にあらかじめ公開やタグ付けの承認を得ることは基本中の基本。公開する場合も、写真を本人に見せて確認してもらっておくと安心だ。写りたくない人はあらかじめはずれてもらって撮影するのも一つの方法だ。既に撮影していた場合は、他の人の顔はスタンプなどで加工してから投稿するとトラブルにならないのでおすすめ。また、公開範囲も友達限定など限定公開にするといいだろう。

「位置情報はオフ」も大切

 スマートフォンで撮影した写真には、位置情報が含まれている。Exif(イグジフ)情報と呼ばれるものだ。このような写真を不特定多数の人が見る場に公開してしまうと、自分の居場所が誰からも見られる状態となってしまう。自宅の場所が分かり、ストーカーされてしまう可能性もあるのだ。

 TwitterやFacebook、アメブロなどの大手SNSやウェブサービスでは、公開した写真の位置情報はあらかじめ削除されるようになっている。ただし情報を削除しないサービスもあるので、撮影時にはあらかじめ位置情報をオフにしておくといいだろう。iPhoneの場合は、「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」とタップして、カメラアプリの位置情報を「許可しない」にしよう。

 それだけでなく、写真にはさまざまな情報が写り込む。個人情報が写り込んでしまうことも多い。例えば、住所表示やランドマーク、目立つ建物などが写り込んでいれば住所はすぐに分かってしまう。「中央線が止まって学校に遅刻しそう」などの投稿をしていれば、写真に含まれる情報と合わせて自宅を特定することは簡単だ。

 自宅や学校、勤務先などが分かってしまい、ストーカー被害や空き巣被害などにつながったケースは少なくない。写真や個人情報の取り扱いにはくれぐれも注意してSNSは安全に楽しんでほしい。

文/高橋暁子 写真/PIXTA