探し物に多くの時間を取られているときの傾向

 物も情報も、「欲しい」と思ったときに手元にないと大きなストレスになります。探すための時間のロスも惜しいですが、探そうと思っているうちに興味が違う方向に行ってしまい、余計な時間がかかってしまうのもよくある話です。

 例えば「あのときに使った図が欲しいのに、どこにあるか思い出せない」と過去のファイルを探しているうち、別の資料を読み込んでしまったり、違う調べ物が気になったりしていませんか? 仕事で必要なイラストや写真を検索しているうちに、かわいい子猫の写真集を見つけて見入ってしまい、気付いたら既に30分以上たっていた、なんてこともありますよね。1日のうちにこのようなトラップにかかる時間が少なく見積もって15分だとしても、1年換算で実に90時間も費やしていることになります

探し物に多くの時間を取られているときの対策

 このような事態を防ぐための対策としては大きく3つです。

1.物の定位置を決めておく
2.情報は名前のルールを決めておく
3.情報収集は「プッシュ型」で自然に集まるようにしておく

 「1.物の定位置を決めておく」は、文字通りデスクやパソコン内での置き場所を決めてしまうということです。机やデスクトップが散らかってしまう人は、一度決めた場所に戻すという基本的な作業を怠っていることが多いのです。使い終わったら元に戻す、を徹底するだけでもだいぶ変わります。

 「2.情報は名前のルールを決めておく」は、一度使った資料を参考にしたいときなどに、一定のキーワードで検索できるようにするということです。例えば私の場合講演資料は「20171130A社働き方改革講演資料」といったように、「日付・社名・内容」を必ずファイル名に付けておくようにしています。こうすれば、いつでも必要なときに検索できるようになりスマートです。

 「情報収集は『プッシュ型』で自然に集まるようにしておく」は、気になる情報は自分から検索しなくても集まってくるよう工夫するということです。

 情報の入手法には、「プッシュ型」と「プル型」があります。プッシュ(Push)型は、自分から働きかけなくても自動的に情報を得ることができるもの。プル(Pull)型は自分から働きかけないと情報を得られないものです。例えばメルマガなど、一度登録したら自動的に情報が送られてくるものは「プッシュ型」、ブラウザの検索窓に調べたいキーワードを入力して検索結果を得るのは「プル型」です。情報収集をしていて、目的のもの意外のものに興味が移り本来すべきことをおろそかにしないためには、「プッシュ型」のサービスを上手に活用していきましょう。例えば私の場合は「Googleアラート」に欲しいキーワードを前もって登録しています。登録したキーワードに一致する新しい検索結果が見つかると、その都度、指定したメールアドレスに情報が送信されるので、わざわざ毎日定期的に検索しなくても情報が手に入るようになります。

マニュアルがなく同じ間違いを何度も繰り返してしまうときの傾向

 これは、探し物に多くの時間を取られている場合と共通する悩みでもあります。例えば半年に一度、定期的に行われている大きな会議があったとき、毎回「前回はどんなふうにやっていたかな?」と、過去のメールを探し出したりしていませんか? 探しているうちに違う悩みも出てきて本来の目的でない時間を過ごしてしまうのは時間の無駄。「こんなときはこうする」を常にマニュアル化することを意識しましょう。