働き方改革のコンサルティングを行っている池田千恵さんが、明日からすぐに実践できる仕事術・時間術・コミュニケーション術などを紹介していく本連載「じぶん働き方改革」。前回の記事「遊ぶように仕事をする人・割り切って働く人 違いは?」では、遊びがそのまま仕事になる人・ならない人の違いについて解説してもらいました。今回は、「言われたことだけする機械」にならずに、「遊ぶように仕事をする人」になるために身に付けたい考え方についてお教えします。

高度な知識や資格を得るより、新しいアイデアが重要に

「言われたことをこなすだけ」になっていませんか? (C)PIXTA
「言われたことをこなすだけ」になっていませんか? (C)PIXTA

 2018年6月4日の日本経済新聞に、アメリカの国際法律事務所ベーカー&マッケンジーのトップ、ポール・ローリンソン氏のインタビューが掲載されており、興味深く読みました。今まで専門性が高く、機械に代替されることはないと思われていた法律事務所の世界でも、時間がかかっていた契約書の単純なチェック作業などがAIの活用で減るため仕事内容が大きく変わり、今後は経営者のパートナーとしての事業機会創出などの提案力が求められるようになるとのことでした。

 私が新卒で就職活動をしていたのは20年も前のことですが、当時は弁護士をはじめとする高度な知識や資格を必要とする仕事は花形職業で、絶対安泰だと思う人が大半でした。今、このように希少性があった仕事からどんどん機械化されていく今の状況に驚きを隠せません。

 知識や資格を得るためにたくさん勉強して暗記して、正確な判断ができるように頑張るのが正しいと信じていた今までは一体何だったんだろう、と、真面目に努力してきた人は思ってしまうかもしれませんが、世の中の流れを後戻りさせることはできません。単純作業から解放される未来が近づく今、前回もお伝えしたように「仕事が遊び、遊びが仕事」と捉え、創造性を発揮してゼロからイチを作り出すことが求められるようになると、今までとは違う頭を使うことが必要となってきます

 前回の記事「遊ぶように仕事をする人・割り切って働く人 違いは?」に引き続き、「仕事が遊び・遊びが仕事」思考を身に付けるため、今既にそのような環境に身を置いている人を観察して分かった、これからの時代に役出つ「考え方のクセ」について述べます。

考え方はクセ付けできる! マネしてみよう

 仕事を遊びのように楽しみながら人生を謳歌している人と食事をしたり、インタビューしたりすることで分かった、私たちが参考にしたい「思考グセ」は4つあります。

1.やりたいことを後回しにしない
「老後の楽しみに」「いつかはこうしたい」という言葉を聞くことはありません。やりたい、と思ったらそのための行動を今から始めます。

2.捨てることをためらわない
大きな目的のためなら、他の枝葉はバッサリと捨てます。

3.「一粒で二度おいしい」をいつも意識する
一つの目的のために時間を使うことはせず、ついでに何かできないか? という視点で考えています。

4.嫌いな人、事でさえもネタに使う
この人嫌だな、や、嫌なことがあったな、というときも、ただ不満を言うだけでなく、それを言語化して今後の糧にしていきます。

 これらの「思考グセ」を先天的に持っている人もいますが、多くの人は今までの人生から後天的に身に付けたものです。ということは私たちでもマネできるということです。順番に詳しく見ていきましょう。