1.やりたいことを後回しにしない

 私たちは、ともすると「しなければいけない」ことを一日中めいっぱい詰め込んで、本当に心から、誰かに止められようが何をしようがついつい手を着けてしまうような「したい」を置き去りにしてしまいます。心からの「したい」という選択を日々諦めてしまっているせいで、なんとなく中途半端で、モヤモヤしたまま1日が終わってしまうのです。したいことを「本当はしたかったんだけどね」と晩年につぶやくような人生は送りたくない、という考えの人が彼/彼女らには多いです。

 「とはいえ現実はやりたいことばかりできないよ」「それは会社員じゃないからできることだ」と考える人もいるかもしれませんが、決してそうとは言い切れません。例えば本当は海外を旅するように暮らしてみたいと思っているのなら、理想を実現している人を見つけ、本やブログを読んだりして調べ、その人がどのようにして道を開いたかを分析してみることなら始められますよね。まだ旅するように暮らすのは無理でも、朝イチの仕事前、喫茶店などで将来どこで暮らしたいかをイメージして海外のビジュアル本を開くことならできるし、旅するように暮らすために年間で必要なお金を調べてシミュレーションすることだってできます。

 このように、「時間があったらしよう」「本当はこうしたい」というような心のホンネに正直になる訓練として私がオススメするのは、朝イチの30分を「本当はしたい」をかなえる時間に充てることです。どうしてもやりたいけど、今までやっていなかったことや、本当はしたいけどできないと思い込んでいたことを朝イチで試し、自分を満足させてから仕事に入ってみましょう。理想の生活を一部取り入れてから出社する習慣を付けるだけで、1日の始まりが変わり、仕事の取り組みも変わります。

2.捨てることをためらわない

●忙しくて何も進まない
●時間ができると、するべきことを横に置いてダラダラしてしまう
●人の誘いを断れずに自分の時間が減っていく

 彼/彼女らには、めったに上記の悩みはありません。なんとなく過ぎてしまう毎日の出来事に対して、主体性を持って判断しているからです。どれだけ選択肢が増えたとしても選べるのはたった一つ。「あの時こうしておけば」「あっちを選んでおけば」と後悔しないためにも、「自分で決めたんだ!」という判断を大切にする「決めグセ」が付いています。

 「決めグセ」といっても、大きな決断を毎日せよ! というわけではありません。例えば次のような小さなことでよいのです。

□ 寝て過ごすときは「今日は寝て過ごしてよし!」と決める

□ ダラダラするときは「ダラダラする!」と決める

□ 遊ぶときは「遊ぶ!」と決める

□ 気が乗らない付き合いは「断る!」と決める

□ 気が乗らない仕事だけど、自分しかやる人がいないなら「さっさと終わらせる!」と決める

 いったん決めたらグダグダ言わずやるだけ。間違ったら修正案をまた決めて、やるだけ。それだけでもだいぶスッキリします。「決めグセ」を付ける第一歩として、まずは何事も瞬間反射的に物事をてきぱきと決めていくことを自分に課してみましょう。

 例えば、朝のカフェ手帳タイムでは窓際の緑がよく見える席に座ると決めるとか、メニューを見たら15秒で頼むものを決める、といった、小さなことからでかまいません。

 過去記事でも色分けで「決める」仕組みをつくる方法について書いていますのでよかったら読んでみてください。



3.「一粒で二度おいしい」をいつも意識する

 彼/彼女らは、一つの行動から得るものを一つに限定するのではなく、他にも波及できる方法はないかということを常に考えています。例えば、自分が登壇するイベントがあったらそれをメディアに取材してもらって、コンテンツとして拡散させた上で長く記録としても残す方法を考えたり、地方出張があったら現地でクライアントと情報交換する機会をセットしたりといったように、「他のこととくっつけられないかな?」というアイデアをいろいろと考えるのが得意です。

 会社員時代、仕事ができる先輩は仕事相手とのコミュニケーションでも「ついでに」精神を発揮していました。廊下でたまたま出会ったプロジェクトメンバーには挨拶だけでなく、プロジェクトの進捗具合を聞いてみたり、自分が手掛けた案件のクライアント側からの感想を聞いてみたりするのが上手で、会話の様子から「○○さん、仕事し過ぎて疲れているみたいだけどプロジェクト停滞しているのかな? 原稿が出るのが遅くなるかもしれない」という予測まで立てていたのを見て、私もただ挨拶するだけじゃなくて「ついでに」精神を発揮しようと思ったものでした。

 例えば会社の同僚との食事でも、会話のついでに仕事のヒントを聞き出したりすることもできるし、気になっていたのに行ったことがない、おいしいと噂のレストランを会食場所に設定するというのも「一粒で二度おいしい」方法ですよね。