前回の「じぶん働き方改革」では、「忙しい相手からも『すぐ』返事が来る、メールの書き方」をテーマに、自分の時間も相手の時間も奪うことなく、早く書けて返事をすぐにもらえるためのメール術について述べました。前回は主にメールの構成についての話でしたが、今回は、「タイピングが遅い」「よく使う文言を自分なりにまとめていない」といったような、ツールの活用次第でスピードアップが可能な問題について見てみましょう。

タイピングはとにかく練習あるのみ

メールはツール活用でもっと効率化できる (C)PIXTA
メールはツール活用でもっと効率化できる (C)PIXTA

 最近はプライベートではPCを使わずにほとんどスマホを利用する方が増えていて、タッチタイピングに苦手意識がある方も多いと聞きます。それでもやはり、ビジネスの場で使うのはPCだという方は、頭の中で浮かんだ文字とほぼ同じようなスピードでタイピングできれば、積もり積もれば大きな時間短縮につながります。最初は時間がかかっても、何も考えずにタイピングできるようになるよう練習しましょう。移動時間にスマホも活用する方はフリック入力もマスターしましょう。

 既に工夫している方も多いかと思いますが、タッチタイピングやスマホのフリック入力を早くするための学習ソフトやアプリなどを使い練習するのをおすすめします。私の場合はゲーム感覚で学べるアプリでフリック入力を早い段階で練習したおかげで、電車移動中のメール返信に抵抗がなくなりました。長いメールを書く必要がありPCを使いたい場合や、原稿の執筆も、移動中に骨子だけは自分に携帯でメールを送り、後でPCを開けた時にコピペして肉付けして仕上げメールをする、という合わせ技でスピードも上がりました。

 タイピング練習のソフトは検索するとたくさんあるので、自分に合ったものを見つけてみましょう。

<タイピング練習のソフトの一例>
・PCのブラインドタッチ:P検(ウェブ上で練習可能)
・スマホのフリック入力:ふりっく(iPhone版・Android版、共に無料)

よく使う文言は自動化する

 PCの「辞書登録」や「ユーザー辞書」機能を活用してスピードアップを図りましょう。短い単語だけ登録する人も多いのですが、例えば「いつも」と入れると「いつもお世話になっております。株式会社○○の××です」といったように簡単な文章も登録できる機能もあるものが多いです。「辞書登録」「ユーザー辞書」のキーワードで検索してやり方を調べ、試してみるのをおすすめします。

 ちなみに私はTextExpanderというMacで使えるソフトを活用しており、

「今後ともよろしくお願い致します」
「ご検討のほど、どうぞよろしくお願い致します」
「またお目にかかれますことを楽しみにしております」

といった挨拶の他に、講演、研修依頼のメールが届いたときのテンプレートも自動化しています。

 例えば毎回聞くことになる次のようなことを、キーワード「koushi」と打てばすぐに文章が出るよう、システム化しています。

・事前に伺いたいこと(講演料・講演時間・質疑応答時間・対象者など)
・事前に送付いただきたいもの(申込者属性など)
・当日準備していただきたいもの(ホワイトボード、クリッカーなど)
・注意事項

 他には、次のものも登録しています。

・ブログを書く際に便利な簡単なHTMLのタグ
・謝礼振込先の口座番号
・署名
・会社の住所と行き先案内
・打ち合わせや待ち合わせでよく使う場所

 会社の規定によっては勝手にソフトをダウンロードできない環境にあるかもしれませんが、その場合はPCにもともと入っている辞書機能の活用に加え、テキストファイルなどによく使う文章をまとめておき、すぐにコピペできるようにしておくという工夫をするだけでもかなりのスピードアップにつながります。