1.資料を集めようと思ったとき、5分でいいので一度止まる

 頑張ったらそれだけ成果を出せる人は、取り掛かる前にその行動の目的や取るべき行動を吟味します。例えば情報収集をするにしても、手当たり次第収集するのではなく、どんな情報が必要かを一旦考えます。考える、という作業は地味なので、一見何もしていないように見えますが、一旦することが決まったら一気に行動を開始できるため馬力がつきます。

 一方、頑張ってもなかなか成果が出ない人は、とりあえず目の前の問題を解決しよう、ということに目が行ってしまい、「そもそも」の部分を考えるまでに至らないまま疲れてしまい、後半で失速してしまうことが多い気がしています。まずは資料を集める前に5分でよいので立ち止まり、何の目的で始めるのかを明らかにしておきましょう。

2.「提案→分析→結論」の順に考えるクセをつける

 資料や文章は、「分析 → 結論 → 提案」という流れで行うことが多いので、思考もそれに引っ張られてその順番にしないといけないと思いがちですが、実は思考の順番と、資料や報告の順番は違います。提案したいことを考え、その提案を説得力あるものにするためには何が必要かを考えて集め、結論に至る、というクセをつけると仕事は格段に速くなります。

 これを私は前職で資料作成を仕事としていたときに身に付けました。前職では最初からキレイに作られた資料をただ清書するというのではなく、「空パック」と呼ばれる、A4のノートを4分割から8分割程度にコマ割りしたものに、伝えたいメッセージや集めるべき資料をメモのように残してまずは全体像をつくってしまうというやり方をしていました。手書きのざっくりとしたストーリーをどんどん肉付けして資料を作り上げていくのです。ストーリーをまず考え、それが成り立つために必要なデータはこんなものがあるだろう、と予測をしてから情報収集するのです。

 もちろん、仮説が間違っていて目的とするデータが集まらないため、もう一度仮説を組み替えるということもありましたが、膨大な資料を調べて資料を作った後に結論が間違いだったと差し戻しになるよりも断然早く仕事が進むようになります。

3.分析のやめ時を決めておく

 最初の提案に固執して、無理にでもデータを持ってこようと時間をかけるとこじつけになってしまいますので、やめ時を最初から決めておきましょう。例えばネット検索で提案に必要なデータを集めよう、というときは、「1時間以内に提案を後押しするようなデータが見つからないときは、提案内容自体を変える」といったように自分なりのルールを決めておくと、泥沼にはまらずにすみます。