気になる彼や同性からも“もっとモテたい!”。そんな想いは誰の心の中にもあるはず。美容を知り尽くした美容ライター・長谷川真弓さんと、男性美容研究家・藤村岳さんが交代で書き綴る『モテる美容学』は、美容の観点からモテの心理までをひも解くふたりによる連載です。第6回のテーマは「美容整形」についてです。

 こんにちは。ライターの長谷川真弓です。12月も半ばを過ぎ、皆さん、連日の忘年会やパーティーで大忙しなのでは。先週のお題、目ヂカラ談議はいかがでしたか? 男性美容研究家の藤村岳さんのコラム『大きい、丸い、黒いだけ? シャープな目ヂカラもかっこいい』も面白かったですね。ルーシー・リュウのクールビューティは、女性の目からみてもカッコいい。可愛さだけじゃないという男性目線、参考にしてみてください。さて、今回のテーマは美容整形。整形する女性を見る女性の目って結構厳しいし、(整形の)どこまで許せるの? とか、男性のホンネも聞いてみたい。これこそ賛否がはっきり分かれるのではないでしょうか?

 そもそも、美容整形ってどこからどこまでのことをいうのでしょうか。目を大きく見せたり、鼻筋を高くしたり、あごを削ったり、おっぱいを大きくしたり……おなかのお肉を取り除くのも美容整形? 挙げたらキリがありません(笑)。

 なかでも、メスを使う整形とは異なり、注射や塗り薬などで施術できてしまう「プチ整形」の存在。プチ整形流行りは2002年頃から始まっているようですが……とはいっても、まだ10年くらいの話なんですね。特殊な糸を使って一重から二重にしたり、ほうれい線、おでこのしわ、目のくぼみはボトックス注射をしてふっくらと……今までの整形とは違い、施術方法や時間、お金も“お手軽”だから若い女性を中心に「プチ整形は整形ではない」と言うくらい、整形自体のハードルが低くなっています。

 ちなみに私、眉にアートメイクをしています。幼いとき、お家で遊んでいたら転んでしまい、ガラスのテーブルに顔をぶつけて右眉あたりをざっくりと切ってしまいました。傷は治ったのですが、眉毛の半分からその先が生えてこなくなってしまったという(笑)。眉毛が半分ないって、結構コワいんですよ。だから休日にお家で過ごすときでも、ちょっとしたゴミ出し、宅配便の受け取りとか眉毛だけは描くようにしています。ほかのメイクは簡単に済ませているのに、眉毛を描いただけで「メイク感」が出てしまう。それも結構ストレスなんです。

 だから、10年くらい前にうすーく薄く、アートメイクをしました。おしゃれというよりは必要に迫られてやったことなのですが、やってみて思ったのは「本当に楽チン。そしてストレスフリー」。眉毛がなくて困っている友人や仕事仲間に教えたら、彼女たちも「やってくる!」とサロンに連絡していました。

 そういえば、アートメイクは整形に入るのでしょうか? いまや技術、施術の進化でそのボーダーラインがわからなくなっているんですよね。仲良しのクリニックの先生いわく、「医師の免許があるドクターが施術するのが整形のため、プチ整形は立派な整形です。それ以外は整形外」だとか。なので、アートメイクは整形外になるそうな。

■キレイでも印象に残らなかったら意味がない!

 だだし、整形でないから何でもしていいかっていうとそうではありません。ちょっと余談になりますが、バーテンダーをしている私の友人はお客さまの顔と名前を覚えるのが本当に得意。たった一度会っただけなのに、ずーっと記憶に留めておけるって、私からすれば羨ましい才能の持ち主。

 なのに、そんな彼が「どうしても覚えられない」と言っていたのが……そう、整形した女性。「顔のバランスが整っているからキレイだと思うよ。でも、みんな同じ顔になっちゃうでしょ。僕からすればキレイでも何でもないよ。記憶に残らないんだから」。もう少し突っ込んで聞いてみると「目は今人気の女優、鼻はあの雑誌に出ているモデル……みたいに、“誰かに似た顔”なんだよね。それにさ、そうやって寄せ集めた顔ってどうやってもバランス悪いんだよ。見ていて違和感あるし、キレイなんて思わないよ」と。この話聞いてちょっと切なくなりました。

 メイクもそうですが、個性を打ち消しちゃ意味ないんだなと。度を越すとキレイでも何でもなく、印象に残らないなんて。もし、あなたに整形の経験があって、気になる人にそう思われていたとしたら悲しいですね。