気になる彼や同性からも“もっとモテたい!”。そんな想いは誰の心の中にもあるはず。美容を知り尽くした美容ライター・長谷川真弓さんと、男性美容研究家・藤村岳さんが交代で書き綴る『モテる美容学』は、美容の観点からモテの心理までをひも解くふたりによる連載です。第5回のテーマは「エクステやつけまの効力」についてです。

 こんにちは、男性美容研究家の藤村岳です。おかげさまでこの「モテる美容学」の評判がよく、あちこちで感想を聞きます。ありがたや、ありがたや。さて、今回のお題の「目ヂカラ」。女性のメイクの最重要テーマですね。

■目指すは“かわいい”or“かっこいい”?

 しかし、なんで「目ヂカラ」というと、一様に黒目が大きくて、ぱっちりとした二重まぶた、長くてボリュームのあるまつ毛を指すのでしょうか? かわいいから? それ、本当?

 ボクは、シャープで、細い目ヂカラがあってもいいと思います。もちろん、クールビューティというカテゴリがあり、それを実践している方もいるでしょう。ただ、周りにはそれを前面に押し出している女性があまりいないような……。

 たとえば、今夏に代理出産で突然ママになったことを発表したルーシー・リュウ。彼女の目元は、決して丸くてかわいいわけではありません。切れ長で、つり目。キツイ印象さえ漂います。でも、ハリウッドでは存在感を持つ女優。

 たまたまアメリカの友人と話す機会があり、彼女の印象を聞いてみると「個人的な好みは別にして、彼女は西洋人の考えるわかりやすい東洋美人だよ」とのこと。「黒髪とともに黒目がエキゾチック。あと、肌がきれいだよね」だそうです。うん、たしかに彼女はかっこいい。目の色と髪の色が黒いというのは武器になりそう。でも、ここで注目したいのは、肌のことまで指摘していること。あくまでも目は顔の中の1パーツだという認識を忘れてはいけないと思います。

■年齢によって目ヂカラの在り方は違う

 そういえば、ほ乳類の赤ちゃんの多くは黒目がちであり、それは親や周りから保護を得られるように、自分を見た相手に「かわいい」「守ってあげたい」と想起させるためだとか。つまり弱さのアピール、そんな説を聞いたことがあります。それを今回のテーマを書くにあたって思い出しました。

 なるほど、だからぬいぐるみやアニメのキャラクターなどは、黒目がちで丸いフォルムをしているものが多いのか、と。

 でも、それは親の庇護を必要とする赤ちゃんや子どもの話。そのための目ヂカラ、賢明な貴女は欲しいですか? 別に、フェミニズムをこじらせているわけではありませんよ。とはいえ、こういう心理学的アプローチをしようとするのも、ある程度は仕方ないかも。でも、これが通用するのも若いうち。自立した大人の女ならかっこいいものではないですよね、きっと。