気になる彼や同性からも“もっとモテたい!”。そんな想いは誰の心の中にもあるはず。美容を知り尽くした美容ライター・長谷川真弓さんと、男性美容研究家・藤村岳さんが交代で書き綴る『モテる美容学』は、美容の観点からモテの心理までをひも解くふたりによる連載です。

 こんにちは。ライターの長谷川真弓です。「モテる美容学」も最終回となりました。美容業界の仲間としてたくさんのアドバイスやヒントをくれた藤村岳さんとの連載は、学ばせてもらうことが多く、充実した連載でした。最終回の“見た目と年齢”についてのお話は「男性はこういう風に感じているんだ」とちょっと意外な気も。上手に年齢を重ねるということは本当に難しい、と実感しています。今日は女性が思う年齢と見た目について考えてみたいと思います。

歳を重ねることは素敵なこと

 美容の仕事をしていると「アンチエイジング」という言葉を耳にします。雑誌やテレビでも「シミやシワのないアンチエイジング美容法」というような特集が組まれていますが、私は「アンチ(=抗う)」という言葉がどうしても好きになれません。エイジング(=歳を重ねていくこと)は生きているものすべてに平等におこることですし、止めることなんてできません。なのに真っ向から“抗う”なんて言ってしまっては、何だか寂しいですよね。“歳を重ねた魅力”がある、と私は思います。

 私がまだ若かったころは、40~50代の女性といえばもっと大人……わかりやすく言うともっと老けたイメージがありました。しかし今、自分がまさにその歳になってみると、“老け”ているなんて、これっぽっちも感じていません。もちろん、体力の低下や身体の変化はあります。若い頃のようなパーンと張った肌ではないし、フェイスラインのもたつきも気になります。シミや小ジワなど、よぉーく見れば気になるところはたくさんあります。しかし、私と同じように 「シミやシワばかり気にしても仕方ない」という女性が増えているような気がします。 老いているどころか、元気……いや“活き活き”としている女性が圧倒的に多いですよね。

これからは「年齢に抗わない人」の時代

 先日、ヘアメイクアップアーティストの黒田啓蔵さんにインタビューさせていただいたときにも、同じような話になりました。歳を重ねても魅力的に見えるメイク法を聞いたところ「ツヤ肌、太眉メイクをすればトレンド感は出るけど、本当に大切なのは“今の自分を活かしたメイクをしているか否か”なのです。たとえば、シミやくすみをファンデーションで覆い隠すより、多少のシミがあっても艷やかな肌の人のほうが魅力的に感じませんか? もちろん、シミやシワは無いに越したことはないけど、欠点を隠すよりも良いところを伸ばすメイクをしたほうが、活き活き感が違う。見た目って大事なんですよね。自信もわくし、品格も宿るからさらに美しさが際立つのです」と黒田さん。

 見た目がその人の印象を大きく左右するというのは以前もお話しましたが、「年齢に合った魅せ方」を学ぶべきで「キレイ=若さ」ではないことを教えてくれた、素敵なお話でした。