気になる彼や同性からも“もっとモテたい!”。そんな想いは誰の心の中にもあるはず。美容を知り尽くした美容ライター・長谷川真弓さんと、男性美容研究家・藤村岳さんが交代で書き綴る『モテる美容学』は、美容の観点からモテの心理までをひも解くふたりによる連載です。

 こんにちは、男性美容研究家の藤村岳です。前回は“肉食系女子”といった、抽象的なお題でしたが、今回はタバコとお酒。いきなり方向性が変わるのもこの連載の幅の広さ。ということでお楽しみいただければ幸いです。

 先に結論を述べますと、タバコやお酒の嗜み方は、貴女の人間力を表しているのです。

(C)PIXTA
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喫煙者は、スメハラ加害者の可能性大

 さて、その昔、タバコは大人を表すかっこよさの象徴的存在でした。しかし、今は、自分と周りの他者の健康を害するものとしての認識の方が大きくなっています。実際、ボクもそう思っています。

 外での打ち合わせのときには「絶対に禁煙席で。分煙でも煙のニオイがしたらNGです」と先方に伝えてから場所決めをするほど。あのニオイ、苦手なんです。

 近頃、話題のハラスメントはセクハラでも、モラハラでもなく、“スメルハラスメント”。悪臭をふりまいて、周囲に迷惑をかけることが嫌がらせになる時代なんですね。加齢臭や口臭といった体由来のニオイだけでなく、ペットや生ゴミなどの生活臭もその要因。

 たとえば、ジャケットやニットといった頻繁に洗濯しない衣類は、ニオイが染みつくとなかなかとれません。その最たるものがタバコというわけ。つまりタバコを吸うということは、高確率でスメハラの加害者になり得るということに。

 ゆえにベランダでタバコを吸う人は要注意。隣家に副流煙を流し、さらに洗濯物にニオイをつけている犯人かも。これ、ご近所トラブルに発展する例もめずらしくないですよね。

“スモーカーズ フェイス”って何?

 タバコの煙には、なんと4000種類もの化学物質が含まれており、そのうち発がん性のあるものは60種類もあるとか。また、ニコチンには依存性も。さらに活性酸素が増えるので、免疫にも影響しますね。

 次に、モテなど見た目に関わる視点から考えてみましょう。喫煙は、血行不良や活性酸素の増加、ビタミンCの破壊などのより、目じりや口周りなどにシワが増えます。一般的に喫煙者の方が、実年齢よりも老けて見えがちという所以は、こういうこと。

 このような喫煙者に特有の顔を“スモーカーズ フェイス”と呼び、シワの他に、ヤニによる歯や歯ぐきの着色、口臭、頭髪の脱毛などの要因にもなるとか。もし、貴女が積極的に老けたいなら、喫煙がぴったりです。

 しかし、喫煙者の多くは「この一服が最高だ」と深いリラックス感を覚えるのも、また事実。そんな趣味嗜好までを弾圧する昨今の風潮は、考え物ともボクは感じているのです。例えば、自分に置き換えてみると、もし大好きなお酒を禁止されたらかなりツライだろうなあ、と。

 アメリカの禁酒法時代、かえって、犯罪の温床となったように“タバコ=完全悪”という図式はよくありません。それは前回の肉食系女子の時にもお話ししたように、多様性のない社会は非常に生きづらいということ。

 また、これはとても個人的なんですが、友人だと喫煙を許せる場面もあります。でも、知らない人だとつい寛容になれないことも多いのです。これはタバコそのものというよりも、タバコを吸う人との関係性や(物理的ではない)距離感に由来するということではないか、と思っています。