香りの上級者は「匂い立つ」人のこと

 先日、友人と香り談議をしていたときのこと。「『良い香りがする』って言うのは、相手のことを気に入ってる褒め言葉だよね」と……。私も素敵な香りをつけている人がいれば声を掛けるけれど、「良い香り」と言われて気分を害する人はいませんよね(笑)。

 最近、気になるのは、香りを身につけていなくても“そういう雰囲気”を持っている、「匂い立つ」人の存在。清潔感があり、自分のスタイルを持っているような人に多いような気がします。香水をつけていないのに、まるでつけているかのような「匂い立つ」オーラを放つことができるなんて、ものすごく羨ましい! そんな簡単なことではないでしょうが、このワザ、ぜひとも身につけたいものです。

■「公害」にならない香水のつけ方

 最後に、香りを効果的に使う方法をご紹介しましょう。先ほども話したとおり、香りは使い方次第。TPOに合わせて上手に使いこなすことができれば、そんな難しいことではありません。もう10年近くの付き合いになりますが、仲良くさせていただいている女性の香りの演出をここで紹介します。

 彼女は香水についても知識が深く、さらにその使い方が本当に上手。たとえば、食事のシーンでは「和食やお寿司を食べに行くときは基本“つけない”。逆に、イタリアンやフレンチのときは、お料理にも使われていそうなレモンやグレープフルーツなどの柑橘系やバジルやセージなどのハーブの香りをつける演出ができるとスマートよね」と。

 ちなみに、柑橘系やハーブ系の香りが嫌いな人はほとんどいないので、ビジネスシーンでも活用できるとか。逆に好感度アップにも繋がるかもしれませんよ。

 もうひとつ教えていただいたのは、「気になる人に自分を印象づけたいとき」のワザ(笑)。それは、“香りのギャップ”をうまく使うということでした。

 「最初はローズなどのフェミニンなフローラル、次に会うときは甘さのあるグルマン系や少し官能的なオリエンタルで……と、香りを変えて相手の反応をチェックするのはアリかもね」と。こんなワザがあるのね!と感心しきりでしたが、これはやってみるとおもしろそうですよね。

 日本は湿気もあるし、夏は異常に暑い。「体にまとわりつくような汗をかいているのに、香水なんてつけられないよ」という方も少なからずいらっしゃるかもしれません。でも、それは使い方の問題。香りを上手に味方につけてワンランク上を目指してみませんか。

文/長谷川 真弓、写真/PIXTA