本当に大事な人、尊敬できる人との付き合いを大切にしています (C) PIXTA
本当に大事な人、尊敬できる人との付き合いを大切にしています (C) PIXTA

 よく会うようになった人は、仕事に対して前向きで向上心のある人や、仕事が大変だとしても、愚痴ばかりこぼさず、逆に他の人のことを思いやることのできる人。仕事だけでなく、プライベートでも常に世界を広げていこうとする意欲的な人です。

 一方で疎遠になった人は、仕事で楽をしようとしている人や、義務を全うせずに愚痴ばかり言って権利を主張する人、自分の世界を広げようとせず、現状に満足しているばかりの人です。

 とはいっても、交際費をケチケチしているわけではなく、いろいろな人と会うことで、相手の人柄や考え方を知ることができますし、職場の人なら、普段の仕事がスムーズにいくようになるというよいところがたくさんあるので、極端に人付き合いを減らしてはいないですね。

 投資をしているので、多少プラスを得られることで心に余裕ができて、交際費を必要以上に切り詰める必要がないという点もメリットかもしれません。考えていることは、自分にとってプラスにはなっているかなと思います。もちろん、会っていて本当に楽しい相手かどうかは、事前によく吟味をしますが……」

――お仕事に関しては、どのように考えているでしょうか。

 「定年はおそらく65歳まで延びると思っているので、健康に気を付けて当たり前のことがきちんとできるように、仕事と向き合っていきたいと思います。当たり前というのは、心身ともに健康で、時間をきちんと守り、締め切りを守るということです。

 あとは、ストレスに負けないようにすること。どんなに仕事やプライベートでつらいことがあっても、仕事を辞めないこと。かといって仕事第一にならずに、プライベートも大事にすること。

 就職して15年たち、さまざまな人を見てきました。ストレスでうつ病になって仕事を辞めた人もいますし、年を重ねて自己中心的になって職場のお荷物になった人もいます。精神的な病気で、日常生活さえも思うようにできなくなった人も……。

 その経験を通して、職場で必要とされるのは特別なスキルを持った人ではなくて、“当たり前のことを一つ一つできる人”だと感じました。うちの職場は異動が多く、仕事内容も多岐にわたるので、その時々で必要とされるスキルが異なります。今まで全くやったことがない仕事やこれまでの経験が全く生かせない仕事をやらざるを得ないこともあります。でも、その時々でまた新たに覚え直すつもりで、仕事に真摯に向き合う気持ちを忘れずにこれからもやっていきたいと思います」

――人生の満足度が80点と答えていただきました。

 「結婚をしていませんし、現在は彼もいませんが、自由な一人暮らしでペットを飼って、仕事でもある程度認めてもらっていて、順調に昇進し、人間関係も恵まれているというところで満足しています。大きなけがや病気もしていないことはありがたいことですし、投資もアップダウンはありますが、長く続けていることでトータルではうまくいっています。

 他の人と比べたとしても、必要以上に卑屈になったり悲観的になったりしないことが大事だと思って、日々意識するようにしています。上を見れば切りがありませんから、自分にできるベストを尽くすこと。趣味や生きがいなど、ストレス解消ができるものを自分なりに見つけることが大切だと思っています。

 私にとっては、それがバイオリンとペットのハムスター。何か一つでも、本当に好きな趣味、楽しいことを見つけることができれば、日々の生活は楽しくなるのではないでしょうか。楽しさを味わう時間があれば、無駄なものを買わなくなり、結果的に好きなものに囲まれて、幸せに生きていけるのではと思います」

文/西山美紀 写真/PIXTA