「欲しいものをどんどん買わないような工夫をしています。例えば、洋服を見るとどうしても欲しくなってしまうので、ウィンドーショッピングの機会を減らしました(笑)。『試着だけ』と思っても、一度着てみてすてきだと感じると、買いたい気持ちを抑えられなくなってしまうからです。

 また、コンビニでお弁当を買うと高いので、なるべくスーパーのお惣菜を買って、家でご飯を炊いて食べるようにしています。休日のランチも、外食をしないようにしています。

 でも、そんなふうに節約をしている私ですが……丸の内や六本木などのきれいなオフィス街でおしゃれな女性会社員の方を見かけるたびに『すてきでいいなあ、憧れるなあ』と、ちょっと惨めな気持ちになります。こんなに切り詰めなくてもいいのかなあ、一度きりの人生だから、もっと自分にワガママをしてもいいのかなあと、お金の正しい使い方が分からなくなるときはありますね……」

――お金が貯まったら、どんなことに使いたいですか?

 「私はずっと独身のような気がするので、自分の力で、ある程度いいレベルのマンションを買うのが目標ですね。でも、優柔不断なので、人生で一番高い買い物に対してきちんと決断できるのかという不安はあります。一生住むことになるだろうから、後悔はしたくないし、かといってそこまでしっかり調べられるのかなあと気が遠くなります」

――貯蓄をしようと思い始めて、変わったことはありますか?

 「昔は飲み会が大好きで、仲がいい人だけではなく、あまり親しくない人が集まる会にもよく参加していました。でも、よくよく考えたら、お金を払うのだから楽しいことだけに絞りたいと思って、職場の歓送迎会や忘年会など特別な飲み会以外、断れそうなものは、『忙しい』『体調があまりよくない』などという理由をつけて断るようになりました。打ち解けて信頼しあえる関係性をつくれない人と、無理をして、さらにお金を払ってストレスをためるのももったいないな……と感じたんです。

 そんなふうに、人の付き合いでも、“大切なお金や時間を使う価値がある相手か”という視点が生まれました。限りある時間とお金だから、周りに流されずに、自分で選ぶことも大事だと思うようになってきました」

――貯蓄を意識することで、恋愛観や結婚観などは変化はあったでしょうか?

 「お金の感覚が似ている人でないと、付き合えないなと思うようになりました。その結果、付き合える人がいなくなってしまいました……。

 私がこれまでに出会った男性で、収入がたくさんある人は、お金の使い方もすごく荒いんです。高級な外食に行くのも楽しいけれど、もし結婚しても同じような生活が続くと思うと、全く貯蓄できなくなるのではと怖くなってしまって……。