――趣味でランニングをされていて、日々楽しんでいるというお話も伺いました。

 「マラソンを始めてまだ4年ほどなのですが、どんなことにも白黒つけたい性格なので、走ってタイムがきっちり出るというランニングは向いていますね(笑)。効率よく練習すると、誰でも速く走れるようになるし、ダイエットや体調管理などにもつながるし、いろいろな人と交流ができるし、最高の趣味だと思っています。

 平坦な道を走るだけでなく、最近はトレイルランといって、山を走ることにもハマっています。ウエア代もかかりますし、往復の交通費や食事代、帰りの温泉代、ケガ防止のためのマッサージ代などで何度も行くとかなりお金はかかるのですが、自分の世界が広がるので、このお金は惜しみません」

――貯蓄もしっかりあり、趣味も楽しんでいる。非常に充実していらっしゃるように思いますが、「人生の満足度が40点」と答えていただきました。

 「はい、収入面や貯蓄面などは確かに充実していますが、パートナーがいないので、プライベートが充実していないなあと感じています。常に『何かが足りない』という意識が心のどこかにあるんですよね。

 30歳になってすぐのときは、『彼がいなくても、貯蓄もできたし、一人で生きていくほうが楽しいし、ラクだな』と感じていたんです。でも、30代の半ばになった今は、パートナーが欲しいと切実に感じるようになりました。

 『自分に何かあったときに助け合える人はいるのか?』と考えてみると、誰もいないから……。そう思うと、貯蓄はしっかりあっても、寂しさを感じます。

 マラソンなどでの付き合いは多いのですが、性格的に人に頼るのが難しくて、パートナーができないのかなと思います。人を頼るということは、人を心から信用すること。でも、私は人を心から信用できないんですよね。そこが悩みです。お金を貯めれば克服できるものではないんです。

 もっと若い頃だったら、『玉の輿に乗りたい』なんて願望もあったかもしれませんが、30代を過ぎた今は難しい。パートナー問題以外は充実していても、やはりこれから歳を重ねていくことを考えると、不安な気持ちになってきます。

 でも、自分の人生ですから、満足度は自分で変えられるかなとも思います。自分なりにできることを模索しながら、これからも努力していきたいと思っています」

文/西山美紀 写真/PIXTA