――「やりたいことにはお金をかける! ただしその分、他は締める」というバランスを取ってきたというYさん。貯蓄で意識していることは?

 「意識していることは、消費、浪費、投資という3つの分類のうち『投資』になると思うものには投資を惜しまないこと。これを意識するだけで、ムダだと思うものにお金を使わなくなり、投資をすることで長い目で見て収入や自分の満足度アップにつながる。そのほうが効率的だと思います」

――手取り月収20万円のうち、毎月8万円を貯蓄できているのはどうしてですか?

 「毎月、財形貯蓄で1万円、別の銀行に移して6万円を貯めて、投資信託で1万円積み立てています。投信積み立てを始めたのは、3年前に『日経WOMAN』のお金の特集を読んだのがきっかけ(笑)。チャレンジしてしばらくはマイナスが続き、『失敗したかな』と不安になりましたが、ちょうど1年後くらいからプラスに転じ、始めて丸2年たった今はプラス14%くらいです」

――「日々幸せを感じられるようになったのは、『貯蓄』がきっかけ」というYさんは、人生満足度が98点! 貯蓄を始めて、満足度はどのように変わったのでしょうか。

 「貯蓄を始めたことで、自分がお金の計算や工夫をすることが好きだったんだと気付きました。そして、貯めるだけでは幸福になれないことも初めて分かりました

「貯めるだけでは幸せになれないことが分かりました」画像はイメージ (C) PIXTA
「貯めるだけでは幸せになれないことが分かりました」画像はイメージ (C) PIXTA

私はなぜ幸せなのか

 自分は何が好きで何が嫌いなのか、何が欲しくて、何をやっているときが幸せなのか……それを知って、好きなことに向けてお金を使っていくことで、人生の満足度は上がっていくのだと思います。周りの価値観に合わせて好きでもないブランドの商品を買ったり、好きでもない人との関係を深めたりしようと思っても、お金を失うだけで満足感がなく、イライラするだけですから。

 手取りが20万円というのは、正直あまり多くない収入ですが、今後は投資を増やし、仕事のステップアップで別の収入源を考えていきたいです。2000万円の貯蓄があっても、もし無職になって年200万円取り崩したらたった10年しか過ごせない。そう思うと、『まだ少ない』という気もしています。

 健康で仕事があり、自由にできる時間もあって、貯蓄もそこそこある。犬がいて、信頼できる友達もいます。幸せです。

 『自分で自分の人生をコントロールしている』という実感があることが、一番大きい気がします。ある程度の貯蓄があるから、仕事が本当に嫌になったら辞めることもできるし、やりたいことがあれば基本的に何でもできる。だから、人生に対して満足感があるのだと思います」

文/西山美紀 写真/PIXTA

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